このブログへのアクセスをみていると、クイズ用早押し機(早押しボタン)の自作記事が割合読まれているようです。
そこで、早押し機を自作できないか? と考えている方に、私なりのアドバイスを挙げてみることにしました。
電子工作の経験と道具が必要。
共立エレショップの早押し判定2キットHA-808(順位判定基板)と早押し用リレーキット804RYを利用して自作する場合、電子工作の経験と道具が必須です。
どちらの基板も、
- プリント基板+パーツの完全自作キット
- ハンダ付け済みの完成品
の2種類で販売されていますが、プリント基板のハンダ付けの経験と自信のない人は、完成品を購入した方が無難です。
私自身は、ハンダ付けの経験はン十年前にかなりあったつもりでしたが、それでもプリント基板のハンダ付けは不慣れで、しかも道具(はんだごて)があまり良くなかったため、リレーボードの方のハンダ付けに数ヵ所失敗してしまいパターンを破損しました。(HA-808の方はもともと自信がなかったため、完成品を購入しました)。
また、プリント基板のハンダ付け以外に、プラグ・ジャック類、コードやスイッチ等のハンダ付けもかなり必要になります。おそらく、中学校の技術科の授業でハンダ付けした程度の経験しかない場合は、苦労するのではないかと予想します。
なので、
- 電子工作の経験と自信が必要。
- ちゃんとしたはんだごて(温度調節付きが望ましい)が必要。
です。
板金加工の経験と道具が必要。
親機と子機のケースを加工する必要があります。プラスチック製でもなんとかなるかもしれませんが、できれば金属製のしっかりしたケースにしたいところ。
となると、当然、板金加工の道具が必要になります。電気ドリル・ボール盤、ヤスリ、ポンチ類など。
予算が必要。
私が製作した早押し機は、総額で2~3万円程度かかっています。
大学生なら簡単に出せる額かもしれませんが、高校生だと結構な額かも?
それだけの予算を捻出し、かつちゃんと動作するものを完成させなければなりません。
お金をかけて材料をそろえて、時間をかけて一生懸命作って、でも動かなかった……では悲しい。
電子回路の基礎知識が必要。
HA-808とリレーボードの説明書は、共立エレショップのサイトから全文(PDF)を閲覧できます。それをよく読み、自分で早押し機として完成させられるかどうかをよく考えてみてください。
いくつかの基板やスイッチ類、LEDやランプ類をどのように接続すれば早押し機になるか、ということです。
それには、
- 電流がどう流れるようにすれば回路が成立するか。
- マイナス(GND)をどのように共通化できるか。
- LEDはどう配線すればよいか。
- シールド線とは? どのように扱えばよいか。
- 基板をケースにとりつけるにはどうすればよいか。
などなど、ごく基本的な電子回路・電子工作の知識が必要です。
HA-808の性能が不十分な点。
HA-808を使って早押し機を完成させることができたとしても、性能には不十分な点があります。
一番の問題は、早押し時の音量が小さいことです。
改善策としては、アンプを別に用意し、基板の組み立て説明書にある通り基板のスピーカー出力に抵抗をかませてアンプに入力することにより、音を増幅してスピーカーを鳴らすといった方法が考えられます。
(2019.9.26追記)
こんな改造を加えました。
完成品の購入も検討を。
上記の項目のどれかに不安がある場合は、完成品を購入することも検討の選択肢に入れてください。
私自身はクイズ活動に参加しているわけではないので詳しくはありませんが、選択肢はいくつかあります。
スーパーハヤオシピンポンブーという商品が市販されています。
早押し機に関する情報がまとめられているサイトもあります。
「早稲田式クイズ早押し機」というものも販売が開始されています。
早稲田大学クイズ研究会OB有志によるプロジェクトとのこと。
高性能ですが、その分、値段も相対的に高くなります。大学生や社会人なら購入選択肢になるでしょう。2019年末の段階で納品まで数ヵ月待ちとか。
【早押し機の販売を始めます!】
— 早稲田式クイズ早押し機 (@wasedashiki) 2018年12月3日
早押しクイズ用の本格的早押し機「早稲田式クイズ早押し機」の販売を始めます。
研究や議論を重ねて開発した自信作です。
既に納品した有力サークルでの安定稼働や好評を受けて、広く販売する運びとなりました。
こちらのアカウントで注文を受け付けます。 pic.twitter.com/0IqKTOVujG