先日、当ブログをお読みいただいた方から、HA-808を使用した早押し機の音量についてご指摘をいただきました。
「基板の取扱説明書にあるとおり、基板をスピーカーに直結するのでなく、基板の信号出力を別のアンプに入力すれば、ピンポン音を大きくできますよ」
……なるほど!
HA-808の取扱説明書をみると、確かにその記述があります。すっかり忘れていました。(見落としていました)
これが実現できれば、HA-808の大きな欠点を解消できます。
私が製作した早押し機は、とある高校のクイズ研究同好会に寄付してしまってあります。それを一度戻してもらえれば改造できるんだけど、と思っていたところ、ちょうど修理の依頼が来ました。
なので、修理と併せて改造することにしました。
アンプ基板の用意。
指摘していただいた読者さんは、Amazonで500円ぐらいの安いアンプを入手し接続したということでした。
しかし、アンプを外部に別に用意するとごちゃごちゃしますし、親機との接続方法を考えなければなりません。
そこで私は、アンプ基板を親機の内部に組み込むことにしました。ケース内にはまだ多少スペースが残っていますから。
秋月電子通商のページで探したところ、ちょうどいい小さなアンプ基板のキットを発見。
価格は、たったの240円!ユニバーサル基板を使用した電子工作の経験はありませんが、この程度の部品点数ならなんとかなりそう。そこでこの基板を使うことにしました。(ただし、出力が0.85Wしかないので注意です)
HA-808をアンプ基板に入力するには、ダミー抵抗として10Ωと1kΩの抵抗が1本ずつ必要ですが、秋月電子通商にバラ売りの抵抗はない様子。仕方ないので、100本入り(!)を買っちゃいました。それでも100円だし。
カーボン抵抗(炭素皮膜抵抗) 1/4W 10Ω (100本入): パーツ一般 秋月電子通商-電子部品・ネット通販
カーボン抵抗(炭素皮膜抵抗) 1/4W 1kΩ (100本入): パーツ一般 秋月電子通商-電子部品・ネット通販
さらに、アンプ基板をケースにとりつけるためのスペーサー。
3mmプラネジ(7mm)+六角スペーサー(14mm)セット: 電子工作便利商品 秋月電子通商-電子部品・ネット通販
サイトから午後イチで注文したところ、もう翌日に到着。
4点買っても、まだ送料の方が高い…。
389アンプキット。ボリュームのつまみも付属しています。
ただし、キットに添付されている紙版の組立説明書は、印刷の関係で実物画像が見にくいので、上記商品紹介ページのPDFデータを見ながらの方が作りやすいです。
アンプ基板の配線追加。
HA-808からアンプ基板に入力するためにダミー抵抗を2本かませなければなりません。
空中配線でもいいか?と一瞬考えましたが、アンプ基板の隅が開いているので、そこを利用することにしました。
その抵抗を配線するパターンを考え、追加します。
うーむ……トポロジー的な何か?
— イヨ (@iyoiyo2013) September 21, 2019
表側の抵抗で裏側の線を跨いでも大丈夫かな?(たぶん大丈夫でしょ) pic.twitter.com/Ux9fPlGJMm
(「橙」「黄」「黒」…と書いてあるのは、使用したリード線の色です)
追加したのは、「Z」側の隅の部分。
拡大すると。
赤で示した線がGND、つまり電源のマイナス極(アース)につながる共通部分です。
黄色で追加した線(と1kΩ及び10kΩの抵抗)が、HA-808基板のスピーカ出力(CN13)のS側を接続する部分。1kΩの抵抗を介してアンプ基板につながる可変抵抗の(3)につながります。もう一方で、10Ωを介してGND(電源のマイナス、アース側へ)へ接続してあります。
青で追加した線は、赤線のGNDを延長した部分。もともとは可変抵抗(1)だけを接続することになっていますが、HA-808スピーカ出力の-側をここに接続します。
基板のハンダ付け。
あとは、パーツを基板にハンダ付けしていき、組み立てです。
ヘタクソだけど、できてきた。#早押し機 pic.twitter.com/2HuEUfFt5r
— イヨ (@iyoiyo2013) September 21, 2019
ハンダ面。
部品面。
追加した1kΩは裏側でGNDの配線をまたいでいるので、抵抗本体がランドに接触したらなにかまずいかも?と思い基板からわざと浮かせて取り付けてみました。(余計なことだったかも)
アンプ基板が完成したら、親機の基板に接続して動作を確認。
いいぞいいぞ。順調。#早押し機 #改造 pic.twitter.com/N09sjtcpbm
— イヨ (@iyoiyo2013) September 21, 2019
(基板が親機の金属部分に接触してはまずいので、袋に入れています)
想定通り動作することが確認できたので、ケースを穴開け加工して、基板とボリューム(可変抵抗器)を取り付けました。
完成。
こうなりました。
左はじの音量調節つまみが加わりました。テプラがあれば「VOL」とでも貼りたいところですが、テプラは持っていません…。
内部はこうなっています。画像左下にあるのが、今回新たに取り付けたアンプ基板。
横からみるとこんな感じです。
アンプ基板を増設した結果。
この386アンプ基板は、電解コンデンサ2個を使うかどうかで、ゲイン(増幅の程度)を20倍と200倍のどちらかに設定できるようになっています。
今回は、電解コンデンサ2個をとりつけ、ゲイン200倍で製作してみました。
多少ノイズはあるものの特に支障はないので、このまま使用することにします。
音量を最小にすると基板単体よりも小さな音量ですが、音量を最大にすると、基板単体よりもかなり大きなピンポン音を出すことができるようになりました。
取扱説明書を書き直し、同好会に返却することにします。
高校の来年の文化祭で活躍するといいな。
……と思っていたんですが。
ふと、さらに改造のアイディアが……。
都合良く、同好会への返却が1カ月ほど先になり、時間的余裕もできてしまいました。
そのアイディアを実現できるかどうか、もうすこしいじくり回すことにします。