フリーランス兼業主夫日記

フリーランス、プラスなりゆきで兼業主夫的生活になって25年超え。生活や子育ての中でブログネタを探しています。記事の内容はその時点の思いつき。現在は考え方が違っているかもしれません。

クイズ用早押し機の改造。DINプラグ・ジャックをステレオミニプラグ・ジャックへ変更。

 

娘が高校生のとき創設したクイズ研究同好会が、まだ活動を続けてくれています。

 

そして、創設時に私が作った早押し機もまだ使われています。

しょっちゅう不具合が発生しますが……。

 

というわけで、前回修理から約1年経った先日、娘の後輩から修理依頼が来ました。

 

案の定、また押しボタンが反応しなくなってしまったということです。

 

DINプラグ根元がとにかく弱い。

 

一式を引き取ってきたところ、DINプラグの根本がビニールテープでぐるぐる巻き。

押しボタン子機のDINプラグの状態。

中央に写っているACアダプタのプラグ根本までぐるぐる巻きです。

 

そもそも、4mmの3芯マイクコード2本を無理やり6P DINプラグ1つに取り付けたので、いろいろな面で最初から無理がかかっていました。それで、前回修理から1年程度でこんな状態になってしまったわけです。

 

そもそも、なぜ6P DINプラグ?

 

なぜ6P DINプラグを使ったかというと。

押しボタン子機1つにつき

  • 押しボタンスイッチの+・ーと、
  • LEDの+・ー

の配線が必要です。

 

一番最初にこの早押し機を作った段階では、

  • 早押し判定基板(押しボタンスイッチを含む)は9Vの乾電池で駆動
  • 押しボタン子機のLEDは12Vの乾電池で駆動

というように、電源が別でした。従って、押しボタンスイッチの回路とLED点灯用の回路を分ける必要があったんです。

 

このため、この早押し機の「第1形態」では、押しボタン子機1つを2つのピンプラグ・ジャックで本体に接続していました。

最初に作ったときの早押し機。

ピンプラグの抜き差しがしにくかったためしっかりした金属製ケースに換装したとき、コネクタもDINコネクタに変更したんです。

 

子機1つについて4極が必要だと考えたときに思いついたのが、DINプラグでした。

 

DINジャックをケースパネルに子機8個分並べるのはスペース的に厳しそうだったため、DINプラグ1つに子機2つをつなげてしまおうという考えで、無理な配線につながってしまっていました。

 

1つのDINプラグに子機2つを接続。

DINジャックを配置したケースパネル。

 

電源が共通になったから…?

 

ところが、その後の改造で、乾電池駆動式からACアダプタ式に電源が変更になっていました。

 

であれば、押しボタン子機1つあたり

  • 押しボタンスイッチの+
  • LEDの+
  • 電源のー(押しボタンスイッチとLED共通)

の3つだけで動作するはず。

それなら、押しボタン子機1つを端子が3つあるステレオプラグ・ジャック1本で接続できます。

 

そして何より、ステレオプラグの方が、はんだ付けが楽。はんだ不良が起きにくいはず。

 

大改造に着手。

 

というわけで、DINプラグ・ジャック方式から、ステレオプラグ・ジャックでの接続に大掛かりな改造をすることにしました。

 

マイクコードが太い(4mm)ので、大きなステレオプラグの使用も考えましたが、3.5mmステレオミニプラグでもこの太さが通ることが判明したので、パネルスペースのことも考え、ステレオミニプラグを採用しました。

 

DINジャックがあったケースパネルにステレオミニジャック配置するにはどうするか。

 

DINジャックが取り付けてあった部分をくり抜いて大きな穴を開け、そこに別のアルミ板をあてて、そこにジャックを取り付けることにしました。

 

大掛かりなケース加工なので、本来であれば基板類を全部外すべきなのでしょうが、横着をして基板・LED・スイッチ類をそのままに、無理やり穴あけ作業などを行いました……。アルミの切り屑がケース内に残らないように注意しましたが。

 

DINジャックを外しました。

DINジャックを取り外したところ。

 

後からあてるアルミ板を取り付けるための穴を、四隅に開けました。

木のつっかえ棒を当てて、ドリルで穴開けです。

表に出ているLEDやスイッチ類を傷めないように木片をあてて養生。

とはいうものの、基板類をぎっしりつけたままなので、ひやひやものです。

よい子は真似しないようにしましょう。

穴開け加工のため、つっかえ棒を。
LEDやスイッチを損傷しないよう、養生。

 

ケースパネルをくり抜く。

 

そして、大掛かりな穴開けです。

DINジャックが付いていたあたりを四角く大きくくり抜きます。

そのために、道具を調達しました。

ハンドニブラです。

ハンドニブラ。
裏面の説明。


アルミパネルを少しずつ食いちぎるようにして穴を開けていくという工具です。

 

遠い遠い昔、真空管ラジオを作っていた中学生の私にとって、「ハンドニブラ」とか「シャーシーパンチ」は「あこがれの工具」でした。ドリルで太めの穴を開けてからシャーシーリーマーでぐりぐり大きく拡げながら、そういう工具があればアルミシャーシの加工が簡単にできるんだろうな……と思っていたものです。

今では、そんな工具だってポンと買える年になってしまいました。

 

ハンドニブラで穴開け。

ハンドニブラで、アルミを食いちぎるようにして穴を開けていきます。

使ってみてわかりましたが、ハンドニブラは「どこを食いちぎるか」がわかりにくく、正確な加工には慣れとかコツが要りそうです。

なにより、この画像の向きからでは「どこが食いちぎられるか」がわかりません。この例では、ケース内側からでないと、刃の位置が見えないんです。

 

今回は、後から当てるアルミ板で隠れてしまう場所なので完成度は求めず、ヤスリで大体整えられればOKということにしてしまいました。

 

こうなりました。

くり抜き完了。

 

当てるアルミ板の加工。

 

そこに当てるアルミ板は、このようにできました。

ステレオミニジャック取り付け用アルミ板。

ここは見栄えに関係するパーツなので、お金をかけてアルミ板のオーダーカットサービスを利用しようかとも考えましたが、アルミ板ってカッターで切れるんですね?今回初めて知りました。

カッターで何回かスジをつけ、少しずつ曲げることで、簡単にきれいに切る(折る)ことができました。折った跡のバリと四隅の面取りを、サンドペーパーやヤスリでちょこっとやればきれいな板を用意できました。

 

そこに、ステレオミニジャックを取り付けるための穴開け。

 

電気ドリルのバッテリーが弱っていて穴がきれいに開かず、少しずれてしまいましたが、これもなんとかクリア。

 

あとは配線だけ。

 

プラグ・ジャックを2組程度配線し、動作に問題ないことを確認してから、全部の配線を終了。

ステレオミニジャック回りの配線。

 

細かいはんだ付けが必要になるため、こて先も新しくしました(というか、前のがひどすぎ)

新品のこて先。
前のはひどすぎ。

 

ステレオミニプラグのハンダ付けも、こみいった6P DINプラグよりはるかに楽です。
ステレオミニプラグ。

 

プラグ抜き差し時にケースパネルに力がかかってたわんでいたので、補強のため木のつっかえ棒をつけました。

木のつっかえ棒。

最初はアルミアングルみたいなもので…と考えたんですが、変にショートなどしても困るし加工も面倒だし、木で十分では?と考えてこのようにしてしまいました。

 

完成!

 

こうなりました。

改造後のパネル。

改造終了!

操作パネル面。

プラグを交換した押しボタン子機。

 

押しボタン子機を接続するとこんな感じになります。

ステレオミニプラグを接続したところ。

 

ただ、動作にちょっと問題が…。

 

自分にしてはうまく改造できたと思っていますが、一つだけ問題が生じました。

 

理由はわかりませんが、電源投入後しばらく反応しなくなってしまったんです。

 

以前は、電源アダプタを接続すると即座に「ピポーン!」と音が鳴り、使用できる状態ようになりました。

 

ところが、今回の改造後は、電源アダプタを接続すると最初に「ピッ!」だけが鳴り、20秒~1分程度経過すると「……ポーン」と鳴って、ようやく使える状態になるんです。

 

この「待機時間」は、直前に使っていたかどうかによって変わるようです。

  • 電源プラグを抜いてすぐ挿し直したような場合は割合短く、
  • その日はじめて電源プラグを挿した場合は長くなるようです。

理由はわかりませんが、その後の動作には影響なさそう。この点も取扱説明書に書き加えました。

 

これでしばらく問題なく使えればいいなと思っています。

人に使ってもらって喜んでもらえるものを作れるのは、いいものです。