先日、ベランダ手すりにマストを立てている地デジアンテナを自分で交換しました。
やれやれと思っていたら、別の問題に気付きました。
屋根の積雪です。
屋根に近すぎ、雪が直撃してしまう。
アンテナが屋根に近過ぎるので、屋根に雪が積もると、落ちてきた雪がアンテナの反射器(リフレクタ)を直撃してしまうんです。
現状では、屋根からリフレクタ下端までのスキマが15~20cmしかないかもしれません。
屋根に積もった雪は、ある程度の重さになると、つるつるの太陽電池パネルの上を滑って雪崩のように勢いよく落ちます。それが直撃したら、細いアンテナエレメントはひとたまりもないでしょう。
どうしたものかな?
……対策はすぐに思いつきました。
アンテナマストを延ばす。
以前アンテナマストとして使っていた、同径のアルミパイプ(長さ1m)が残っています。これを今のアルミパイプ(2m)に継ぎ足して、高さ3mのアンテナマストにしてしまえばいい。
ただし、ただ3mに延ばすだけではあまりに心細い。アンテナ自体の重量も以前より増していますから、ちょっとした強風で折れてしまいそうです。なので、マストを延ばすだけでなく、ちゃんと支線(ステー)を張って補強することにしました。
材料を手配。
アンテナマストを継ぎ足すための部品は、アンテナ関連製品メーカーから販売されています。
アルミパイプの径は32mmで、アンテナマストとして一般的に使われている2種類のパイプの一方と同じ径だったので、既製品を使用できました。
あとは、支線を張るための材料です。
昔の私だったら、適当なナイロンロープをマストに縛り付けて張り、それだけで済ませていたかもしれません。
あるいは、せいぜい、アンテナ支線用のビニール被覆針金をぐるぐる縛り付けた程度にしたかもしれません。
しかし、私も「こういうことはちゃんとやった方がいい」と常識的な判断をするオトナになりました。これが「年を取った」ということなのでしょう。
そして年を取ったおかげで、それに必要な数千円の財力もあります。
というわけで、必要な部材をちゃんと用意し、しっかりとやることにしました。
揃えたものは。
ステンレスワイヤー(直径2mm)20m。
ターンバックル(4個入り)。支線の張りの調整に使用します。
支線留め金具。アンテナマストに支線を取り付けます。
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ステンレス製シンブル(ワイヤーコース)、2mm用。ワイヤー端部のループを補強します。
板型ワイヤークリップ(2mm用)。ワイヤー端部をループにするための締め付けに使用します。
シャックル。(手持ちのものを使用)アルミ自在物干金物に支線ワイヤーを取り付けるのに使用します。
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ネット通販で安いところをいろいろ探し、手配しました。
ワイヤー保護に使おうと思った内径3mmのビニールチューブは、近所のホームセンターの園芸用品売り場で購入。
材料費は計3314円でした。それと、以前使っていた32mm×1mのアルミパイプ。
こんな程度でも、部品を買い集めるだけで「オトナ買い」の感覚になってしまう、安上がりな私です。
作業内容。
ワイヤーを必要な長さにカット。
アンテナマストの支線取り付けを予定する場所にスズランテープをガムテで貼り付け、試しに3方向に伸ばしてみて、支線として各方向に必要なワイヤーの長さを測りました。
そして、その長さに多少余裕を加えた長さで、ステンレスワイヤーをカット。
ただし、2mmのステンレスワイヤーは思ったより太くて硬く、普通のペンチでは切れませんでした…。
「ワイヤーカッターがあったはず」と物置を探しても見当たりません。記憶違いだったのでしょう(実家にはありましたから)。仕方なく、「喰い切り」(エンドニッパー)
で試したところ、切れました。よかった。
今までワイヤーを扱ったことがありませんでしたが、端部をループにして留めるにはワイヤークリップを使うようです。ループ部分には、シンブル(ワイヤーコース)をはめると強度が出るとか。
左が板型ワイヤークリップ、右がシンブル(ワイヤーコース)。使用するワイヤーの径に合った物を使います。
このように使うらしいです。
ワイヤークリップが1コでいいのか、いくつかつなげて使う必要があるのかは、よくわかりませんでした。(本当は2つ並べて使い、強度を出すのでしょう)
そもそも大して力がかかる場所でもないので、これでよしとしてしまいました。
今回使用した2mmワイヤー用板型ワイヤークリップはナットが小さく、7mmのスパナを使う必要がありました。これもたまたま、手持ち工具の中にありました。
アンテナマストに支線留め金具を通して固定。
アンテナマストの支線取り付け予定位置に、支線留め金具を通して固定します。
金具は、マストにネジ止めして固定する本体と、支線を通すリングの2つで構成されています。
リングはマストに通しておくだけで、固定しません。ぐるぐる回る状態なので、支線を張る角度に応じてちょうどいい位置に収まります。
アンテナマストを継ぎ足す。
支線留め金具にワイヤーを3本取り付け。
説明書(上の画像)では支線をぐるぐるねじって留めるよう説明されていますが、今回は穴にシンブルを通し、ワイヤーを通してワイヤークリップで固定するという方法にしました。
支線留め金具にワイヤーを3本取り付けたら、アンテナマストを立てます。
こうなりました。
(支線を張った後の状態)
ワイヤーの反対側を固定。
3本の支線ワイヤーのうち、
- 1本は、2Fベランダのアルミ自在物干金物の根元に。
- 2本は、地上にある敷地境界のフェンスのボルトに。
取り付けることにしました。
ベランダのアルミ自在物干金物は、軒天に取り付けられています。
根元付近に支線を張れば、強度的にも問題ないでしょう。
こうなりました。
自在物干金物にシャックルをかませ、ターンバックルのアイボルト側をシャックルに通し、ターンバックルのフック側に、支線ワイヤーのループをひっかけています。
地上の敷地境界にあるフェンスには、支柱とフェンスを固定するこのようなボルトがあります。
ターンバックルのパッケージには、このような説明が。
ターンバックルを支線止めクギに直接ひっかけてもいいのなら、別の方法で直接固定しても大丈夫でしょう。
そこで、フェンス支柱のこのボルトにターンバックルのアイボルト側を通し、フック側に支線ワイヤーのループをひっかけました。
こうしておいて、3本の支線のターンバックルを回し、張り具合を調整すればいいわけです。
全体の構成はこんなイメージ。
(フェンスの柱側の支線は同じ構成が2本です)
今回はターンバックルだけでなく、ワイヤークリップを緩めて支線の長さそのものを調整することもできます。ワイヤークリップは1コ150円ぐらいするパーツで、個数が増えると費用的に厳しくなってきますが、ワイヤーの長さを後から調節できる点はとても便利でした。
支線のそばを通ったとき支線が頭に直接ぶつからないよう、地上側の部分はビニールチューブに通しましたが、実際に張ってみた位置では頭がぶつかる心配はなさそうです。
ベランダ角に立てたアンテナマストを真下の地上から見上げると、こんな角度に張れました。
3方向に張るのであれば本来は120度ずつがいいわけですが、今回は……
110度、100度、150度ぐらいの感じでしょうか。もう少ししっかり計画すればよかったな。
完成。
作業終了です。
最初の画像と比べると、1m分高くなりました。
すこし傾いているような気もしますが、これは支線の張り方の問題ではなさそう。
屋根からの距離が十分確保され、アンテナレベルもかなり改善されました。
めでたしめでたし。
(2階のテレビの方がアンテナレベルが低いのは、宅内の同軸ケーブル取り回しの問題なのかな…)
これで雪が降っても強風が吹いても大丈夫でしょう。
……と思っていたら、支線を張った翌日に、数年に一度の寒波!日本海側は大雪に警戒!という状況。
私が住んでいる地域は雪は降りませんでしたが、急に20m/sぐらいの強風がしばらく吹き荒れました。でもこのアンテナはびくともせず。支線を張っておいてよかった。