本日はまず結論から。
地デジ放送がある日突然映らなくなったら、テレビやアンテナの普通のトラブル以外に、「700MHz」の問題を疑った方がいいかもしれません。
こんなダイレクトメールに見覚えありませんか?
「700MHz」の問題による受信障害の可能性がある地域に送られたようです。
ウチに届いたのは、確か10月以前のこと。けっこう前です。
テレビ放送が地上デジタル放送に移行し、使用する周波数帯が変わった関係で空いた周波数(700MHz帯)が、携帯電話で使われるようになった、と。
しかしその結果、テレビの受信設備によっては、2019年11月21日以降に受信障害が出る可能性がある、ということです。
詳しくはこちらをどうぞ。
11月21日を過ぎたので、すっかり忘れていた。
このDMを見たときにはふーんなるほど、と思いましたが、DMに書いてあった11月21日を過ぎてもテレビの映りに全く変化がなかったため、このDMのこともすっかり忘れていました。
受信障害は、突然に。
そして、DMを見てからおそらく2カ月以上経った昨晩。
突然、テレビが映らなくなりました。
復旧したり、また映らなくなったりを繰り返すように。
映らないときは、ほぼ全チャンネルが「信号が受信できません」という真っ黒の画面になってしまいました。
ウチのテレビアンテナは、2階建てのベランダにマストを立てて2mぐらいの高さに設置した、小さなものです。
(以前は近隣40軒ほどで共同アンテナから受信していたのですが、その設備を使わなくなったため、ウチではアンテナを自分で設置しました)
アンテナレベルは当初から低く、以前からたまに(強風のときや雪が降っているときなど)受信状態が悪くなることがありました。そしてさらに、送信所の方向には斜面があって木がたくさん生えています。その木が年々成長してきていたため、アンテナをもっと高くしないといよいよダメになったのかな? と思っていたんです。
そんなことを考えていた矢先。
すっかり忘れていた「700MHz」のダイレクトメールが、食卓の隅に積み重なった紙類の下から出てきたんです。本当にたまたまでした。
「もしかしたらこの影響かも?」
「でも11月21日なんてとっくに過ぎているのに?」
よくわかりませんでしたが、とりあえずコールセンターに電話して見に来てもらうことにしました。
やはり「700MHz」が原因らしい。
電話したところ、年末の忙しい中、業者さんが当日中に来てくれました。
作業中に話を聞いたところ、
- 電波の方角や出力をいろいろ変えているので、障害は突然出ることがある。
- となりの家が大丈夫でも障害が出ることはあり、家による差が大きい。
- 障害が出る可能性があるのは、アンテナで受信した信号をブースターで増幅している場合のみ。いま地デジで使われている周波数帯だけでなく、携帯電話で使われることになった700MHzまで増幅してしまう古い受信設備だと、障害の原因になることがある。
ウチの場合、アンテナからブースターへの入力の前に、700MHz帯をカットするフィルターが挿入されました。
フィルター挿入前のブースター(サン電子のHB-U25M)です。この機種だと700MHzで受信障害が発生する、ということですね。(名称は「プリアンプ」となっていますが、ブースターとの違いがよくわからない…)
フィルタ挿入後。
左側の同軸の黒いキャップを外し、フィルタ(長さ3cm程度の小さな棒状パーツ)を同軸ケーブルとプリアンプの間に挿入。黒いテープで防水処理してキャップを戻しました。
ともかく、無償で対策はしてもらえたので、これでしばらく様子を見ることにします。
気付かなければ面倒なことになっていた、かも。
しかしこのダイレクトメールに気付かなかったらどうなっていたことやら。
これが原因の受信障害なら、対策費用は無料です。
でもこのことに気付かなければ、普通の人なら電気屋に修理を依頼するでしょう。
そのとき、「いい電気屋」なら「これは700MHzの問題なので、タダで対策してもらえますよ」と教えてくれるでしょう。
でも、「普通の電気屋」や「悪い電気屋」なら、知らん顔して修理し、費用を請求するでしょう。それぐらいのことは、いくらでも行われていそうです。
この「700MHz」の問題、直接届いたダイレクトメール以外ではテレビでもネットでも見聞きしたことがありません。もっと広報しないとまずいんじゃないのかなあ。
後日談。
この対策から2週間ほどして、なぜかまた、アンテナレベルがギリギリまで下がる現象がときどき起きるようになってしまいました。短時間ですが、ブロックノイズが酷くなったり、映像が途切れたりです。
700MHzの対策をしてもらった会社に連絡してもう一度見てもらうこともできたんですが、一応は対策済みなので改善は望み薄かな、二度手間かなと考え、アンテナマストを伸ばすことにしました。
左が伸ばす前(1m)、右が伸ばした後(2mのアルミパイプを使用)。
使用したアルミパイプは30mmのものです。
このアンテナは軽量で小さく、受風面積が小さいので、ステーで補強しなくても大丈夫だろうと判断しました。
青空に向かって伸びるアンテナ、いいものです。
遠い昔、アマチュア無線をやっていた頃を思い出します。