早押し判定基板HA-808を使用した自作の早押し機。
とある高校のクイズ研究同好会に寄付したものですが、修理依頼で戻ってきています。
ハンダ不良部を修理し、ピンポン音を大きくするためアンプ基板を 組み込んだところで作業終了。あとは返却するだけ……と思っていましたが、「RANK機能がわかりにくい」という質問も受けていました。
HA-808では押しボタンを押した順位を1位から3位まで判定できますが、動作モード(動作状態)が3種類あります。
- 待機状態
- 準待機状態
- 表示状態
の3つ。
ただ、「今どの状態なのか」がわかりにくいんです。
動作状態の参考になるのが、基板上の3つのLED。
右上に見える1、2、3の3つのLEDの点灯状態で、順位や動作状態がわかるようになっています。
しかし、このLEDは基板上にあります。ケースを開けなければ見えません。この点が不便でした。
実際にクイズ大会のときにケースを開けたまま使用するという手もないわけではありませんが、内部に不用意に触れてしまったり、うっかり水滴でも垂らしてしまったら、基板が壊れてしまいます。
なにか、いい解決法はないものか。
それなら、ケースの外で光らせればいい!
それなら、このLED部分から配線を引き出して、基板上でなくケースに取り付けたLEDを光らせればいいんですよね。
どうせなら、何番の押しボタンが押されたかがわかる基板上のLED(上の画像の左側1~8)も、基板上でなくケースパネルで光らせれば、何番が押されたかが手元でわかってすごく便利になるはず!
……ということぐらい、以前からなんとなく思っていましたが、そこまでやる気が出なかった私。
しかしなぜか今回は、アンプ基板を増設した勢いで、そこまでやっちゃうか!という気になってきました。気まぐれな私です。
部品調達。
ということで、気が変わらないうちにとりかかることにしました。
ケースパネルに取り付けるLEDは、押しボタン子機から赤色LEDブラケットを外して流用することにしました。
押しボタン子機のLEDは、代わりにオレンジ色LEDブラケットを新たに調達して取り付けます。(この件は別記事にします)
必要部品は通販で購入しました。
すぐに到着。
なぜか虫みたいに見えます…。
プリント基板からLEDを取り外すので、ハンダ吸い取り線も注文しました。
LED個数は予備も含めてです。
LEDブラケット用の制限抵抗値の計算。
基板上に取り付けられているLEDと、今回ケースパネルに取り付けるLEDブラケットでは、動作電流などが違うことが考えられます。となると、LEDに直列に入れる制限抵抗も変えなければなりません。
プリント基板上では、LEDに直列に1kΩの抵抗が入っています。
使用するLEDブラケットの仕様は、
上記マルツオンラインの商品ページにある通り。
ここで、とある筋から、「LEDの+側電圧は5V。使用するLEDブラケット(赤、DB5NR)なら1kΩではやや大きい(=LEDが暗くなる)。330Ωぐらいまで下げても大丈夫だろう」と教えていただきました。
330Ωの抵抗も購入……ではなく、以前に100本買った1kΩの抵抗が余っていましたから、それを3本並列にして330Ωとして使うことにしました。
制限抵抗値の計算方法は、マルツオンラインの下のページに詳しく記載されています。
プリント基板からLEDを外す。
ハンダ面にハンダ吸い取り線を当ててハンダごてを当て、ハンダを吸い取らせます。
うまくハンダがなくなると、ハンダ付けしてあったパーツが外れるという具合です。
試しに、LEDを1コ外してリード線を取り付け、LEDブラケットが問題なく点灯するかどうか試してみました。
(リード線はそのままだと太すぎてプリント基板の部品取り付け穴に入らないので、撚り線を半分ぐらい切り、細くして使いました)
このリード線にLEDブラケットの+極を仮にハンダ付け。ー極には制限抵抗(330Ω相当)を付けてGNDに接続したところ、問題なく点灯することが確認できました。
確認できたので、LEDを全部外し、リード線を取り付けました。
LEDが全部、リード線になりました。
ハンダ吸い取り線の便利さを実感しました。こんな便利グッズ、昔からあったのかな……。
(ただ、やはり1カ所だけ、プリント基板のパターンをハンダごての熱で損傷してしまい、補修が必要になってしまいました)
はずしたLEDも、やっぱり虫みたいです。
ケース加工。
次はケース加工です。LEDブラケットを取り付ける穴を、計11コも開けなければなりません。
細めの電気ドリル、次に太めの電気ドリルで穴を開け、シャーシーリーマーで目的とする径まで拡げ、最後に甲丸ヤスリでバリをとれば完了です。
非力な電気ドリルを使った不安定な作業のせいで、1カ所明らかにズレてしまいました…。もっと早く気付けば修正できたんですが。しかたない。
LEDブラケットを取り付けて配線。
LEDブラケットを取り付け、
ー側を配線し、(一番上に、1kΩを3つ並列にした制限抵抗が見えます)
+側にリード線をハンダ付けして、熱収縮チューブでカバーしました。
熱収縮チューブですが、ドライヤーの熱風を当ててもラチがあかないし他の部品が溶けそうなので、ハンダごての温度を調節しながらちょんちょん触って収縮させてしまいました)
あまりにごちゃごちゃなので、ビニタイを短く切って巻き付け、リード線をまとめました。
完成。
こうなりました。
(テプラがないので、とりあえずマスキングテープで表示)
これで、
- たとえば「押しボタン子機2番の回答者が最初にボタンを押した」とき、2番と1位のLEDが点灯。
- たとえば「押しボタン子機1番の回答者が最初、4番の回答者が次にボタンを押した」ときには、1番と1位・2位のLEDが点灯。RANKスイッチを押して表示モードに切り替え、RANKスイッチをもう1回押せば2位の4番が点灯」
というように、ケースパネル上でLEDが点灯するようになりました。(詳しくはHA-808の取扱説明書を参照)
押しボタンを3人が押したときがわかりにくいんですが…ここは基板設計の改善を期待したいところです。
さて次は、今回の改造の最後に、押しボタン子機のLEDブラケットをオレンジ色のLEDに交換します。