暑い夏。
ストックしてある食料品が劣化していきます。
醤油は香りが変わり、(冷蔵庫に入れておけばいいのに…)
うっかり1.8Lの紙パックで買ってしまった調理用ワインは変質し、(冷蔵庫に入れておけばいいのに…)
未開封の味噌は、茶色がどんどん濃くなっていきます。
味噌の色が濃くなっていくのは調理の加熱で料理がキツネ色になっていくのと同じ現象で、食品に含まれる糖分とアミノ酸が反応するメイラード反応によるものです。
料理のときは短時間で色がつきますが、夏の高い気温でもこの反応がゆっくり進み、食品が茶色く褐変していくのです。
切り干し大根も茶色くなる。
切り干し大根も、夏の高温で茶色くなっていきます。
使いかけのまま棚に残っていました業務スーパーの切り干し大根が、ずいぶん茶色くなっていました。
水で戻してみます。
袋を開封してから随分経っていますが、もともと脱酸素剤などが入っていたわけではないので、未開封だったとしてもこの程度は褐変していたでしょう。
でも、切り干し大根は、こうなると余計に甘くなるように思うんです。
カボチャは収穫してから冬を越すとデンプンが糖に分解されて甘くなると言いますが、切り干し大根は「夏を越すとアミノ酸が増えてうま味が増える」んじゃないかと思うほど。
定番の常備菜、切り干し大根の炒め煮。
これを使って、切り干し大根の炒め煮を作ることに。
水で戻した切り干しは手で絞って取り出し、長さが短くなるよう、適当に1、2回切りました。
……戻し汁が茶色い。
ボケボケですが、まるでめんつゆのように茶色い。これ、元はただの水だったんですよ?
こんなに色のついた戻し汁は初めてです。さすが今年の猛暑。
この戻し汁にも味がたっぷり出ているので、炒め煮に加えて使ってしまいます。
ニンジンを千切りにして油で炒め、切り干しを加え、砂糖、戻し汁、醤油、鷹の爪の輪切りと加えて、さっと煮ました。
この程度の戻し汁なら、すぐにちょうどよく煮詰まってしまいます。
出来上がり。
照明の加減もありますが、大して煮ていないし醤油も少しだけなのに、これだけ茶色になっています。味も、いつもより甘みが強いように感じました。
夏を越して古くなった茶色い切り干し大根、私は結構好きです。