前回はこんな記事を書きました。
今回は、学童保育(略して「学童」、留守家庭児童会とも呼ばれます)について、私の経験も含めてもう少し書いてみます。
設置・運営主体はいろいろ。
「放課後児童健全育成事業(放課後児童クラブ)について」厚生労働省平成28年資料(PDF)によれば、設置・運営の形態は
- 公設公営(自治体が施設を用意し運営も行う)が約38%
- 公設民営(自治体が施設を用意するが、運営は民間が行う)が約44%
- 民立民営が約18%
という割合になっています。
公設公営の場合は、おそらく自治体に申し込み窓口があるのでしょう(想像)。
公設民営の場合、44%の内訳は社会福祉法人が約14%、NPO法人が約5%、運営委員会・保護者会が約16%、その他が約9%。
民立民営の場合、18%の内訳は社会福祉法人が約6%、NPO法人が約3%、運営委員会・保護者会が約6%、その他が約3%。
民営の場合は、自治体に申し込み窓口があるわけではなく、それぞれの学童に個別に申し込む形になると思います。
住んでいる自治体の学童、利用しようとする具体的な学童がどの形態かを、事前に調べておく必要があります。
平成26年に学童の運営基準ができた。
平成26年に、厚生労働省が「放課後児童健全育成事業の設備及び運営に関する基準」
を策定し、学童保育のさまざまな基準を定めました。
例えば、定員は40人以下、1人当たりスペースを1.65 m2以上とする、指導員(放課後児童支援員)は保育士・社会福祉士等の有資格者2人以上(平成32年度末まで経過措置あり)、開所時間・開所日数などの基準が示されています。
受け入れ学年についての基準はありません(基準策定前は、改正前の児童福祉法により「おおむね10歳未満の留守家庭の小学生」とされていました)。ですから学童によっては6年生まで受け入れているところもありますが、施設の面積・指導員の人数による制約から、受け入れ学年や定員が決まっていると思われます。
(40人という定員については、「複数クラスにする」ことで全体の人数を増やすなどの対応が取られているものと思われます)
私の経験。
私は在宅フリーランスであり、子供が小学生になれば家でみることも可能だったので、学童保育は利用しませんでした。
ただ、PTAの役員として外部から学童保育について知る機会があったので、数年前の経験について書いてみることにします。
私が関わった学童保育(留守家庭児童会)は、上記でいう「公設民営」でした。自治体が学校敷地内に施設を用意し、運営は「運営委員会」が行うという形式です。
運営委員会は、「地域」の方々、学校側、PTA本部役員代表、保護者代表などで構成されていましたが、形式的なものになっており、当時、実際の運営は保護者会と指導員の先生方で行われていました。受け入れ学年、毎月の利用料、長期休暇時の開所内容など、主なことは全て保護者会と指導員の先生が相談して決めていたんです。
つまり、
- 夜は何時までやっているか
- 毎月の利用料はいくらか
- 長期休暇時は何時から何時まで開所しているか
といった保護者にとっての重要事項は、全て「その学童保育」が独自に決めていたわけです。
私が「実地での情報収集が大切」と力説するのはこのためです。となりの学童ではこういうことがみんな違っていたかもしれませんから。
上記のように、地域によっては「実質的に保護者自身が運営している学童」があると思われます。そのような学童を利用する場合、利用者として「預けておしまい。利用料を払っているんだから子どもを見てもらって当然」ではなく、運営そのものへの参加が求められる場合があるという点も、憶えておいてください。
Photo by 写真素材 足成