NHK Eテレ2017年10月15日の放送は「知られざる場面緘黙の世界」でした。
再放送は10月20日(金)0:00(木曜深夜)です。
場面緘黙とは?
知らない人がほとんどですよね。
場面緘黙とは、
「言葉を話したり理解する能力はほぼ正常であるにもかかわらず、幼稚園・保育園や学校などの社会的な状況で声を出したり話したりすることができない状態を言います。」
(かんもくネット〜場面緘黙とは〜 より)
不安障害の1つと考えられており、500人に1人ぐらいの割合でみられるということです。
「自分が話す様子を人から聞かれたり見られたりすることに怖れを感じる」(上記かんもくネットより)ということなので、「何を話したらいいかわからない」「どう受け答えしたらいいかわからない」「何か変なことを言って失敗しそう」「間違ったことを言いそう」といった不安を特に強く感じることが原因にありそうです。
そのため、不安を和らげるために
- 自分がどのようなときに不安を感じるかを、細かい場面に分けて考える
- 不安が小さい場面から少しずつ段階を踏んで挑戦してみる(スモールステップ)
といった方法で改善が試みられるようです。
ウチの末っ子も、ほとんど喋りません。
緘黙の傾向と言っていいものかどうかわかりませんが、ウチの末っ子は家でもほとんど喋りません。。
話さなくなったのは小学校6年頃からです。保育園の頃から外では緊張することはありましたが、家の中では無邪気にはしゃぐ子でした。それが思春期の到来ごろから、特に神経質な面があちこちで目立つようになりました。
いろいろなストレスを感じた結果表れたことの一つが、緘黙に近い状態なのではないかと思っています。
末っ子は、必要最低限の会話はします。教室で先生と会話をしたり、職員室に質問に行ったり、部活で後輩に教えたりすることもあるようです。必要なものを自分で買いに行ったり、1人で床屋に行くこともできる。
でも、学校だけでなく家の中でも言葉は少ない。番組中で最初に出てきた加藤さんがわずかな首の動きだけで「はい・いいえ」の意思表示をする様子は、ウチの末っ子そっくりです。
本人が困難を抱えているのなら手助けしてやりたい気持ちはやまやまですが、それがどうなのか、毎日日常的に接している私にさえよくわかりません。
というか、今のところ、大きな困難は抱えていない様子に見えます。「馬を水辺に連れて行くことはできても、水を飲ませることはできない」とよく言われますが、そもそも本人にその気がなければ水飲み場に連れて行くことさえできるわけないと、よく思います。「何とかしたい」という様子が少しでも見えたら、そのときには力になってあげたい。
環境が変わるときはいつも心配でしたが、保育園の同級生が多かった小学校入学も、同じ小学校出身者が1/3いた中学校入学も問題なくクリアできました。中学校卒業時の寄せ書きには、クラスメートから「親切にしてくれてありがとう」「勉強教えてくれてありがとう」といった言葉が並んでいて(女子からも!)、もう泣きそう。
同級生がほとんどいない高校進学のときも心配でしたが、2年になった現在まで学校生活に大きな問題はないようです。このまま少しずつ環境変化に慣れて、大学進学という大きな変化に耐えられるようになってほしい。
世界仰天ニュースの放送は気付きませんでした。
当事者の方々は、こういう方法で挑戦してみてほしい。
知らないうちに、緘黙に関する本も随分増えたんですね。