わが家の床下でネズミのカリカリ音が聞こえるようになってから、はや2カ月近く。
ネズミ駆除作戦を第1次から第5次まで展開しましたが、終息には至っていません。
第1次、第2次駆除作戦:床下換気口から殺鼠剤デスモアプロを投入。
第3次駆除作戦:忌避剤で燻蒸。
第4次駆除作戦。床下にもぐってデスモアプロを投げ込み、粘着シートを設置。
第5次駆除作戦。エアコン配管周囲の隙間をステンレスタワシで塞ぐ。
ここまでやっても、まだ音が聞こえます。
そこで、次の作戦を遂行することにしました。
第6次ネズミ駆除作戦。
今回の作戦には、大きな目玉があります。
それは……
ハイテク新兵器、ロボットアームの戦線投入です。
ロボットアーム……??
遠隔操作で殺鼠剤を投入できるロボットアーム。
これを使えば、第4次駆除作戦で到達できなかった床下中央部に殺鼠剤を撒くことができます。
製作のため、さっそく近所のホームセンターで材料を調達しました。
主な材料は、この通り。
- 9mm×9mm×1.8mの角材2本。
- 25mmのネジ。
- 水糸(樹脂製の細い糸)
- 余っていた洗濯ばさみ。
これだけ?
これだけです。締めて648円。なんと安上がりな……。
角材を60cmずつに切り、穴を開けてビスで連結し、関節を作りました。
先端には、せんたくばさみをネジ止め。
せんたくばさみの片方に水糸を結びつけ、それをロボットアームの反対側で引っ張れば、せんたくばさみの口を遠隔操作で開かせることができるという仕組みです。
殺鼠剤の小袋を洗濯ばさみではさみ、アームを延ばしていけば、床下の奥深くに殺鼠剤を落とすことができます。
全部延ばせば、約3.6m先まで届きますから。
アームのところどころにタッカーを打って水糸を通し、水糸のガイドにしました。
殺鼠剤を「ネオラッテ クイックリー」に変更。
このロボットアームで投入する殺鼠剤ですが、今回はデスモアプロから別のものに変更しました。(デスモアプロは、すでに結構な量を床下に撒きましたからね……)
今回使用したのは、イカリ消毒の「ネオラッテ クイックリー」。有効成分はリン化亜鉛です。デスモアプロで使われているジフェチアロールと比べて、昔からある古典的殺鼠剤なのではないでしょうか。
これは「急性毒」で、食べれば3~5時間で効果が出るとのこと。
リン化亜鉛は、水または酸と接触すると化学反応で有毒なホスフィン(PH3)を発生させます。なので、ネズミがこれを食べると胃内で胃酸によりホスフィンが発生し、死に至るというわけです。
購入時には、野そ(野ねずみ)駆除目的の、屋外でしか使えないタイプの商品もあるので、間違えないようにしましょう。
1箱に、食品の乾燥剤ぐらいの大きさの小袋が15個入っています。
これで1箱852円でした。小袋1コあたりの単価は、デスモアプロの約1/3。安い。
この製品は人間やペットにも有毒なので、誤食を防ぐための目印になる「配置BOX」が同梱されているとのこと。一体どんなものかと見てみると……。
ただ厚紙を折り曲げて作るだけのものでした。
うーん、文字が読める子供の誤食は防げるかもしれませんが……。乳幼児やペットのいる室内では使用しない方がよさそうです。今回は、床下なので問題ナシ。
食いつきをよくするには、どうすれば?
ネットの情報をあれこれ見てみると、リン化亜鉛は、ワルファリンやジフェチアロールよりも食いつきがよくなさそうな気がします。
食いつきをよくする方法はないかとネットを少し調べてみましたが、リン化亜鉛への食いつきをよくする方法は見当たりませんでした。そもそも、殺鼠剤そのものが市販製品としてあまり売れていないジャンルの商品のようで、情報が少ない印象です。
デスモアプロ(ジフェチアロール)には、使用説明に「食いつきがよくない場合はコーン油やソースを数滴垂らす」と記載されています。しかし、この「ネオラッテ クイックリー」の製品表示には、食いつきをよくする方法についての記載はありません。
前述のとおり、有効成分のリン化亜鉛は水や酸と反応して有毒ガスを発生するため、水気や酸は禁物。ですから、小袋にソース(水+酸)を垂らすわけにはいきません。
そこで、小麦粉と食用油(揚げ物をしたときの残り)を練ってペースト状にし、小袋にぺたぺた塗りつけることにしました。
油にも多少の水分は含まれているでしょうけどね。
床下へ投入。
ペーストを塗りつけた小袋をロボットアーム先端の洗濯ばさみにはさみ、アームを延ばしながら、床下換気口から床下へ挿入。
床下換気口の隙間は15mmあるので、幅9mmのロボットアームなら、まっすぐだけでなく左右45度方向に斜めに差し込むこともできます。
実際に使ってみて、このロボットアームの欠点に気付きました。
アームがまっすぐ伸びた状態でないと、糸を引っ張れない。
考えてみれば当然のことです。アームが曲がった状態で糸をひっぱると、アームがもっと曲がるだけのこと。洗濯ばさみは開きません。
アームをまっすぐ伸びた状態に維持するため、アームを延ばすたびに関節のビスを締めなければならない。
使用したのは蝶ネジでない普通のビスですが、今回は指で締めながら使いました。
長さ60cmでも、狭いところでは使いにくい。
床下換気口の周囲はそれほど広くありません。60cmの腕を折りたたんだ今回のロボットアームでも、アームを延ばしながら床下に挿入していく操作は予想外に窮屈。腰がつらかった……。
床下に再度もぐるときがあればその時にはこれを持ち込めるかなと思っていたんですが、床下の非常に狭い空間でこのアームを延ばす作業はとても大変そうです。
ネオラッテ クイックリー2箱を全量投入。さて、効果は……?
このロボットアームで、ネズミが出没するあたり(前回直接到達できなかった1階床下中央部)を中心とした床下のあちこちに、全量(30包)を投入しました。
投入後2日ほどは時々カリカリ音がしましたが、3日目から5日目(今日)まで、音は聞こえていません。
やったか? ついにやったか?
妻「寒くなったからじゃないのー? 急に冷え込んだし」
……。
……。
確かに、ここ2、3日は最低気温が-4℃ぐらいに下がったけど。
(2021年1月7日追記)
この第6次駆除作戦を遂行したのが、2020年12月14日(月)。
その後、12月24・25日に少しカリカリ音がしてがっかりしましたが、それ以降はネズミの物音はせず、無事に年を越せました。
ネオラッテ クイックリーが効果あったのか、あるいは寒くなったからだけなのか。
真相はわかりませんが、とりあえずこの秋冬のネズミ問題は終息したようです。
- 価格: 602 円
- 楽天で詳細を見る