なぜ勉強しなければいけないのかと言われたら、どう答えるか。
簡単で難しい問題です。
勉強に対する相手のスタンスによっていろいろなアプローチがあると思いますが、「役に立たない、大人になったとき仕事に必要がない勉強はする必要がない」と思っている子に対しては、「宝くじ必勝法」のたとえ話をしたらどうかと考えてみました。
宝くじが絶対当たる!必勝法。
「宝くじ必勝法」。宝くじに絶対当たる方法です。
子どもの食いつきもよさそうですよね。
では、それはどんな方法か。
- 宝くじの当選番号を調べる。
- タイムマシンで時間をさかのぼり、その当選番号の宝くじを買う。
→ 絶対当たる!
……。
……。
「えー、タイムマシンなんてないんだから、そんなの無理じゃん」
と言われておしまいですよね汗。
でも、「将来役に立つ勉強だけをやればいい」という考え方は、これと同じ。
「将来役に立つ勉強だけをやればいい。他の勉強は無駄」
=「将来当たる宝くじだけを買えばいい。他の宝くじを買うのは無駄」。
「将来どの番号の宝くじがあたるか」と、「どんな勉強が将来役に立つか」は、確率の差はあるものの、不確実という点では同じです。
不確実な未来をいま予想し、的中させることはできません。
宝くじ必勝法、その2。
ついでに、絶対に宝くじが当たる必勝法、その2です。
この方法なら、タイムマシンがなくても絶対に当たります。
どうすればいいか。
宝くじを全部買い占める。
これだけです。
……。
……。
「確かにタイムマシンは使わないけど、そんなの無理に決まってるじゃん」
…ですよね笑。
ちなみに、この記事を書いている時点で販売されている2019年のサマージャンボ宝くじは、発行総額600億円。なので、600億円あれば全てのサマージャンボを買い占められます(物理的に可能かどうかはともかく)。
※ところで、宝くじを全部買い占めて当選金を独り占めしても、結局はかなりの損になります。
たとえば、サマージャンボ宝くじを全部、つまり発行総額の600億円分全て買い占めれば当選金を独り占めできますが、もらえる当選金は合計で約290億円にしかなりません。
残りの約53%のお金は、公共事業や宝くじ実施のための経費などに使用されます。
宝くじが「貧者の税金」と言われるゆえんです。
参考:
何が言いたいかというと、いくら未来が予測不可能であっても、ありとあらゆる勉強、スポーツ、芸術を極めれば、「当たる」=それが将来「役に立つ」可能性は高まるけれど、そんな神様のようなことはもちろん不可能、ということです。
(さらに言えば、「ありとあらゆる」と思った範囲だって、明日にはもう変わってしまっているかもしれません)
では、宝くじ1枚に人生を賭ける?
「将来役に立たない勉強なんかしなくていい」「将来は○○になるからそのためのことだけやればいい」というのは、「宝くじを1枚だけ買って当たりに賭ける」のと似たような、無茶なことではないでしょうか。
宝くじの場合、普通の人は「宝くじを1枚だけ買う」から「宝くじを全部買い占める」までの間のどこかで、自分が納得できる適当なところの枚数を買うわけです。10枚とか、20枚とか、30枚とか。
小中学校の勉強は、少なくとも今の大人たちが「日本人なら誰でもこの程度のことは勉強しておいた方がいいよ」という考えで選ばれた内容。将来どんな道に進むことになっても、最低限の知識と、考え方の練習になる内容です。
「だから、小中学生の今は、その程度のことはやっておいた方がいいよ。
それとも、宝くじ1枚に全てを賭けるみたいな、イチかバチかの道を歩む覚悟がある?」
そんな風に話してみてはどうだろう……という、ほんの思いつきでした。
もちろん。
「今の大人が考えた "最低限これぐらいやっておいた方がいいよ" という義務教育の内容」が、今の時代、そしてこれからやってくる時代に合っているかどうかは、また別の問題ですけどね。