長男の就活で先日ようやく内定が出ました。
中学受験も高校受験も大学受験も大学院進学も、親の私は全く心配していなかったし、本人も大変そうなそぶりも見せずひょうひょうと順当にクリアしてきたけれど、就活だけは違いました。
空前の売り手市場と言われる今でもです。
誰にだって、得意・不得意はありますから。
そんな長男に、そのうち話しておきたいと思うことを書いてみます。
学校を卒業すると、時間のモノサシがなくなる。
就職を境に、物心ついてからずっと過ごしてきた学校というところから、全く違う環境に生活が移ります。
学校というところは、全てが1年単位で区切られています(その1年の中も、もっと細かく区切られています)。
小中学校なら、1年が終われば自動的に2年。そして3年…と進級していきます。
中学3年になったら、次は高校受験というようにコースが決まっています。
高校に入ったら、また同じように普通は1年、2年とコマを進めて行き、3年になったら次は大学受験。そして大学でも同じように1年、2年と必要な単位を履修し……。
1年単位で与えられる課題をクリアしていけば、1段階上がって次の年に進むことができる(あるいは自動的に進む)仕組み。そういう仕組みの中でずっと生活してきたのが、子ども時代・学生時代です。
しかし学校を卒業して働くようになると、そういうわかりやすい時間のモノサシがなくなります。
組織の中で、達成目標に毎年取り組むぐらい?
あるいは、せいぜい職能等級が上がったり昇進して肩書がついていくぐらいでしょうか?
大げさな言い方をすると、学生時代とは時間の流れ方が変わるんです。
自分で、時間のモノサシを作る。
目の前の仕事をし、それ以上のことを特に何も考えずに日々生活していると、すぐに数年ぐらい経ってしまうでしょう。
そして気がつくと30歳。次に気がつくと35歳、40歳、45歳……。
どこかで「いつのまに?」とか、「こんな生活でいいのか?」といった疑問を持つようになってしまうかもしれません。
なので、就職後は、自分で意識して将来のことを考えてほしい。
3年後、自分はどうなっていたいか。5年後、10年後、20年後、自分はどういう生活をしていたいか。そしてそのためにいま何をしなければいけないのか。
学生のうちは5年や10年というスパンは長すぎ、考えることもなかったでしょう。
しかし、これからが人生の本番。
1年・2年だけでなく、5年先、10年先、15年先、20年先の自分のことを考えてみてほしい。そして、これから自分がやることが、5年後や10年後になって大きく効いてくると考えてほしい。
今の自分があるのも過去10年間の積み重ねの結果なのだから、将来のために、今からいろいろな「貯金」をしておかなければいけません。さもないと、今までのわずか10年や20年の貯金をこれから食いつぶすだけの人生になってしまうのだから。
こんなことを、息子に話しておこうと思っています。