新年度が始まり、ゴールデンウィーク前後は家庭訪問が行われるところも多いと思います。
特に、はじめてのお子さんが小学校に入学した4月は、新しいこと続きでしょう。家庭訪問が終わればようやく一区切りといった感じかもしれません。
私の経験では、夏休みの個人面談は希望日時の調査があり、それをもとに日程が組まれることが多かったように思います。
しかし家庭訪問の場合は、限られた時間内に効率よく各家庭を回らなければなりません。なので、地理的関係に基づき先生側から日時を指定されることも多いのではないでしょうか。
ですので、仕事の都合などで予定を合わせることが難しい場合も多いと思います。
家庭訪問をパスする?
「どうしてもご都合が悪い場合は、ご自宅の場所の確認だけでも結構ですよ」といった選択肢が、学校から示される場合があります。
(私の場合、小学校だったか中学校だったか忘れましたが、担任が変わらない2年目のときに家庭訪問がまるまる「希望者のみ」となったこともありました)
4月の入学式や保護者懇談会、PTA関係などですでに有休を使っており、今後も病気や台風などの休校、授業参観などに備えて有休を温存しておきたいという場合、上記のような選択肢が示されているなら、「家庭訪問ナシ」にしてもやむを得ないと思います。
そのことに関連して、いくつか考えました。
制度は使った方がいい。
まず、学校側からそういう配慮があった場合、本当に必要なら、その制度を使った方がいいです。
というのは、使われない制度はなくなってしまう可能性があるから。
誰も利用しなければ、「結局そういう希望ないんだな」ということで、そういう運用がなくなってしまっても文句は言えません。必要なら、その言葉に甘えてそれを利用することは問題ないと思います。
制度を利用することで、そういうニーズがあるということを学校に知らせ続けることができます。
ただし、利用するには注意も必要。
でも、気をつけた方がいい点もあります。
例えば、プリントに「都合が付かないので家庭訪問を行わない」といった回答欄があり、そこに○をつけて先生に提出、といった形で意思表示した場合。
担任にしてみれば、どういう理由で「家庭訪問ナシ」が希望されたのか、本当のところが伝わりません。
極論すれば、「別に時間はあるけれど、面倒くさいからパスでいいや」的ないいかげんさでパスされた可能性だってないとは言えないからです。保護者は本当にさまざまですから。
担任の先生の希望。
私は教員ではありませんが、家庭訪問の目的はいくつか想像できます。
- 保護者がどんな人かを、学年のはじめに確認する。
- 児童生徒の家庭や生活環境がどのようなものかを実際に確認する。
つまり、児童生徒がどんな保護者の元で、どんな家・生活環境・地域・家庭で生活しているのかを実地に確認する、ということです。
特に新しい学級の場合、担任からはその子どもの背景や保護者自身がほとんど見えません。手がかりは、年度初めの提出書類や、学級懇談会に来た保護者のわずかなイメージだけ(年度初めの懇談会だって、出席率は100%ではありません)。これは先生にとってかなりの不安要素ではないでしょうか? 最初の個人面談は夏でしょうから、それまでは、保護者の反応を気にしながら手探りで学級運営といったことになるかもしれません。
なので、できれば別の形で先生とのコミュニケーションを。
先生方がまず最も気にするのは、「何か問題のある家庭ではないか」、「対応が難しい保護者ではないか」、といった点だと思います。
なので、「家庭訪問をパスしてもいいよ」というルールの場合、特に初めて受け持ってもらう担任の先生の場合は、連絡帳に「子どもが大変お世話になっております。家庭訪問の件ですが、これこれこういう理由で在宅できません。申し訳ございませんが、どうか今後ともよろしくお願いします」といった程度のことを簡単に書き、先生に見てもらってはどうでしょうか。
暗に「学校に非協力的な親ではないですよ。協力したいのはやまやまですが、どうしてもといった事情なので…」と説明しておくわけです。事務的に「家庭訪問パス」とするより、こう伝えておけば先生もはるかに安心できるでしょう。
そんなことを思いました。
Photo by 写真素材 足成