車でラジオを聞いていたら,こんなお題が出ていました。
「私を夢中にさせた,平成のあのブーム」。
平成の30年間を振り返って,私の「ブーム」は何だったんだろう?
平成になった当初は,マイブームという言葉さえありませんでした(みうらじゅんが1994年に作ったとか。出典:みうらじゅん - Wikipedia)。
やはり,50代半ばの私の年代だと,まずはバブル関連でしょうね…。
「財テク」。
今では全く聞かなくなった,この言葉。
平成元年=1989年。日経平均株価が史上最高値をつけた年。
当時,投資が「財テク」という呼び名で流行していました。
マネー雑誌が次々に創刊され,その一部は現在も生き残っています。(廃刊になったものも数多くあるはず)
とは言っても,財テクに走ったのは,投資資金のある一部の層が中心だったかもしれません。当時新入社員だった私は,投資する層としては少数派でしたから。
そもそも,インターネットが存在しませんでしたから,現在のようなネット証券・ネット取引など全くありません。投資商品を買うにも,証券会社の支店に電話してでした。
その後,バブル崩壊。新入社員の投資額などわずかでしたから,バブル崩壊で私が被った損などたかが知れていますが,それでも学習しなかったのか,それから30年間でもいろいろな経験をしました。
そして,ふたたび昨今の投資ブーム。今回は,若い層から定年退職した団塊の世代までまんべんなく巻き込んでいるような。
時代は繰り返すように感じます。
パソコン通信。
そして,バブルとは関係ありませんが,私にとって重要だったのがパソコン通信です。
今の若い人は言葉しか知らないのではないでしょうか?
平成が始まった当時,インターネットは存在しませんでした。
しかし,「ネット」はあった。
ではその「ネット」とは何か?
それが,パソコン通信です。
パソコン通信を運営する会社がサーバー(ホスト)を持ち,その会社が日本全国に設定した電話番号(アクセスポイント)に,会員が自分のパソコンから電話をかけて回線を接続する。
そうするとパソコン通信のホストにアクセスでき,その中にある「電子掲示板」でコミュニケーションを行ったり,「データライブラリ」からソフトウェアをダウンロードしたりできたんです。
あらゆるホストにつながっている現在のインターネットとは違い,日本中の会員が一つのホストコンピューターの中でつながる,閉じたネットワークでした。
いま書いていて気付きましたが,そもそも「パソコンから電話をかける」ということ自体,現代からするとナゾかもしれませんね。
パソコンに通信ソフトを入れ,モデム(パソコンと電話回線の間でデータをやりとりするための変換装置)を介して電話回線につなぐことで,アクセスポイントの電話番号に電話をかけることができたんです。
そして,今でもときどき昔話に登場する「ピーヒョロヒョロヒョロ,ガー」といった音とともにホストに接続する,というわけ。
当時の通信速度は2400bps,現在の数十メガと比較すると数千分の1でしょうか。
私はNIFTY-Serve(ニフティサーブ)というパソコン通信を使っていましたが,インターネットがなかった時代に,貴重な情報交換をすることができました。
私が現在やっている仕事でフリーランスになったときも,パソコン通信で得た情報が非常に役立ったものです。オフ会にも数回参加しました。
その一方で,現代のフリーランスをとりまく問題と同じ問題が,当時から「在宅ワークの問題」として存在していたし,現在SNSを通じてフリーランスを束ねようとする人たちがいろいろと物議を醸すのと同様,当時から「在宅ワーカー」を束ねようとする人たちが非難されたりすることはありました。
現在はSNSが炎上しますが,当時はパソコン通信の会議室で「バトル」(論争というよりもケンカ?)が発生することがよくあり,当事者・参加者はもちろん,書き込みを読んでいる側も疲弊したものです。
時代は繰り返すと思うし,技術の進歩に対して人間はどの程度進歩したんだろう?と思ってみたりもします。
記事に画像を貼るために探したら,古いケーブルが出てきました。モデムの接続に使ったRS-232Cのケーブルだと思います…。Dサブ9ピンとDサブ25ピンのどちらを使ったのか,もう覚えていません。