今日はこんな記事が。
- 文部科学省の委託事業として2017年10月に「JAPAN e-Portfolio」というサイトがオープン。
- 高校生が、「探究活動」「生徒会・委員会」「学校行事」「部活動」「学校以外の活動」「留学・海外経験」「表彰・顕彰」「資格・検定」といった活動を記録し、先生が確認する。
- 2018年8月から大学にも提供され、現在78の大学が導入を決定。出願者の抽出などに利用するという。
学力試験による「一発方式」から、総合力を求めるAO入試への移行へという流れをさらに補強するものなのでしょう。いわば「強力な内申書」ではないでしょうか。
ペーパーテストで測れる以外の能力が求められる時代。
時代の要請なのでしょう。ペーパーテストが得意な、「受験秀才」は要らない。「受験秀才」ではこれからの時代に対応できない。それは確かかもしれません。
しかし、こういった、狭義の学力以外を記録することにしたらどうなるんでしょう?
きっと、要領よく実績を作る方法がすぐに研究されます。
塾や予備校などの教育産業はすぐに対応するし、なにより学校や高校生自身が、「評価を効率的によくするにはどうすべきか」を第一に考えるようになります。
しかしそれでいいのでしょうか。
今でさえ、「効率的に勉強する」「最小限の努力で点数を取る」ようなうたい文句のダイレクトメールがしょっちゅう送られてきます。従来の勉強でさえ、効率が全てではなかったはず。
狭義の勉強以外のさまざまな活動まで、実績作り第一に利用されてしまうんじゃないか。
そして、「実績につながらない」「効率の悪い」ことはますます顧みられなくなるのではないか。
失敗できなくなる?
上記の記事にあるとおり、評価が全方位になる結果、ますます失敗しにくくなるのではないかという点が危惧されます。
小さくまとまった、今とは違う意味で規格化された学生が大量生産されるのではないか。
本当に必要とされる、失敗を怖れずチャレンジするとんがった異能の人材は生まれにくくなるのではないか。
一度失敗してしまうと、挽回の方法がなくなってしまうのではないか。
AO入試と同様、家庭の状況や、都市部と地方の格差も大きく影響しそうです。
難しい時代になってきました。
ウチの子は、ペーパーテストの方が得意なタイプなんですよね…。