久しぶりに、やっちゃいました…。
運転席ドア後ろ下端、右後ろドア前下端、そしてドアの下の部分(サイドシル)。
大きく凹み、傷がついています。(茶色は塗料です)
傷つけてからすでに3週間以上経ってしまったので、サビも出ています。
補修、どうする?
新車から21年目(!)のこの車。もちろんまだまだ問題なく乗れます。車検も通したばかり。でも、さすがに15万とか20万とか費用をかけて板金+塗装する気はしません。(おそらくそれぐらいかかりますよね?)
しかし、補修しなければ、塗装が剥げたところからどんどんサビてしまいます。第一、みっともない。
そこで、以下の方針で補修することにしました。
- 板金の修理はせず、凹んだ形のままで済ます。
- サビないようにするため、自力で塗装する。仕上がりに完璧さは求めない。
車の塗装については、マニキュアみたいなタッチアップ用の塗料を細筆でちょこちょこ塗った程度の経験しかない私。
ちゃんとした補修はやったことがありませんが、まあなんとかなるでしょう。
というより、なんとかしなければなりません。
資材を調達。
ネットで情報を調べ、塗装の補修に必要な材料を手配しました。
補修用品のメーカーとしてはソフト99とHoltsがありますが、この車は古いせいか、合う色の既製品はソフト99にしかありませんでした。なので、ソフト99の商品で一式をそろえることに。
- タッチアップペン……塗料。スプレーペイントでは同じ色がなかったので、マニキュアタイプのこの商品を多めに用意しました。
- エアータッチ……タッチアップペンを取り付けてスプレーペイントとして使用できるようにする、エアゾール缶とアタッチメント。
- シリコンオフ……塗装面の前処理のため表面を脱脂するスプレー。「チビ缶」で十分でしょう。
- ボデーペン ホワイトプラサフ……塗装下地を作るスプレー。
- 仕上げスプレー……塗装の最後に、周囲とのムラをなくすために使用。
- コンパウンド細目……前処理や仕上げに使います。
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- 耐水ペーパー……180番と1000番を使いました。320番と600番も買いましたが、今回は使用せず。
- マスキングテープ
- 古新聞
- ボロ布
耐水ペーパーとマスキングテープは車の補修用でなくてもいいでしょうから、一般用のものを近所のホームセンターで購入しました。
まずコンパウンドで研磨。
全体を水洗いし、コンパウンド細目で研磨しました。
(コンパウンドは、ペースト状のクレンザーみたいなものです)
表面の汚れや茶色の塗料が落ち、傷がついているところがはっきりしました。
耐水ペーパー180番で研磨。
次は耐水ペーパーです。傷ついた部分やサビを削り、バリや段差をなくしていきます。
「車に "紙やすり" をかけて表面を削るなんて……」と心理的抵抗感大でしたが、仕方ありません。
というより、覚悟を決めて下地をしっかり作っておかないと、最後の仕上がりに大きく影響します。
(今回は完璧な仕上がりを求めたわけではありませんが)
ぶつけて凹んだ状態なので波打っていますから、耐水ペーパーを木切れに巻いて磨くことができる平らな場所はほとんどありません。ペーパーを濡らし、指で曲面に合わせてこすりつけ、洗い流しながら磨きました。
磨いた結果。
表面が削れ、表面の黄色い塗料から下地の白い塗料、そして最下層の鉄板まで見えるようになりました。
低い場所での作業なので、姿勢がつらかった…。こういうときに年齢を感じます。
パテ埋めは省略。
次に、本来であれば
- ベコッと大きく凹んだサイドシルを全部パテで埋める、とか(無理か?)
- 深く削れた線状の傷をパテで埋める
といった補修をするのでしょうが、今回は車体右側面の下部であり、もともと目立たない場所なので、パテ埋め作業は全部省略しました。
そもそも、塗装も初めての私がパテ埋めもやるとなると、失敗する可能性も2倍以上になってしまうでしょうから。
下地塗装の準備。
塗装は、
脱脂 → 下地(プラサフ)を何回か吹く → 耐水ペーパーで研磨 → コンパウンドで広く研磨 → 脱脂 → 塗料を何回か吹く → 仕上げスプレーでムラを防止
という流れになります。
下地を塗装する前と、塗料で塗装する前には、もちろんマスキングを行います。
下地塗装の前には、塗装する場所だけを狭く残し、それ以外をきっちり覆うマスキングをします。
専用のマスキングシートもありますが、安上がりに新聞紙で。
プラサフのスプレーは、吹いたとき隙間から結構入り込むので、塗装するエリアとの境界は全部マスキングテープでしっかり塞いだ方がいいでしょう。
マスキングしたら、塗装する部分を脱脂します。シリコンオフスプレーを拭いて、きれいな布で拭き取ります。
ここまでの作業で、約1時間半かかりました。
プラサフで下地塗装。
脱脂したら、ボデーペン ホワイトプラサフで塗装の下地を塗ります。
1回目。
うっすら白くなった程度。
10分ほど乾燥させて、2回め。
もう少し白くなりました。
また10分ほど乾燥させて、3回目。
薄すぎたか、まだ下が見えます。
そこで、10分ほどおいて4回目。
パテ埋めをしなかったので、ひっかき傷の凹みがそのまま残っています。
下地はとりあえずこれで終了としました。
このプラサフ、乾いてくると、吹いている最中よりも白さが増してくる印象です。
下地塗装にかかった時間は約1時間。作業スタートから約2時間半経ちました。
下地の研磨。
昼食後、マスキングの新聞紙を剥がして下地の研磨です。
新聞紙を取り除いたところ。
きれいに白い下地ができました。(ひっかき傷のミゾは見えますが)
乾いた様子は、事務用の修正テープを貼り付けたようです。
マスキングが不十分だったところ(新聞紙にスキマがあったところ)は、白いプラサフが拡がってしまっています。
この下地を、1000番の耐水ペーパーで磨きます。
ところが。
耐水ペーパーで磨いたら、出っ張っているところで鉄板が露出してしまいました。
これではまずいので、プラサフを追加で吹き、十分乾燥させて、改めて耐水ペーパーで研磨しました。
こうなりました。ようやく下地の完成です。
研磨+再度のプラサフ吹き+研磨が終わった時点で午後1時45分。途中、昼食と下地乾燥時間(30分の昼寝)を含めて4時間半経っていました。
いよいよ塗装。
ここまで来たら、あとは塗料を吹いて完成させるだけのようなもの。
タッチアップペンを、説明書どおりエアータッチに取り付けます。
カチッと言うまでしっかり取り付けましょう。
マスキングは、プラサフを吹くときよりも広く空けるようにします。側面窓ガラスとタイヤを覆う程度にしました。
塗装前に、塗装する場所周囲を広く、コンパウンド細めで磨いておきます。
こうすると、周囲との境界の色ムラが防止できるそうです。
1回目。
まだ下地の白が見える感じ。
10分程度おいて2回め。
白さがほとんどなくなり、いい感じになってきました。
3回塗装後。
21年も経って塗装の経年劣化が激しいはずのこの車ですが、周囲との色の違いがなくなるぐらいまで塗装できました。
3回目のペイントを吹いたらすぐに、仕上げスプレーを、塗装面よりすこし広い範囲に吹きます。周囲との色ムラの防止効果があるとか。
これで塗装終了としました。
画像ではわかりませんが、この状態では表面にペイントの粒子状のキラキラが見え、光の角度によってはそれが塗装のムラのように見えます。
1週間程度おいてからコンパウンドで磨くということなので、そうすればそのキラキラもなくなるのでしょう。
エアータッチの使用感。
- ボタンの押し具合でスプレーの噴射にムラが出るので、最初は力加減の慣れが必要かもしれません。
- 今回はペイントが不足しないようタッチアップペンの方を多めに用意しましたが、むしろエアータッチの方がギリギリで、今回の塗装で1本を使い切りました。タッチアップペンとエアータッチ(ボンベ)の両方を、余裕を持って用意した方がよさそう。
- 注意書きにある通り、エアータッチを連続噴射しているとボンベの温度が下がり、噴射が弱くなります。気温25℃近い今回の作業条件でもそうなりましたので、連続噴射は避け、ボンベを手で温めるなどしながら作業したほうがいいのかもしれません(寒い季節は特に)。
満足のいく仕上がり。
ともあれ。
こういう塗装を初めてやったにしては、なかなかよくできたと思っています。
午前9時に作業にとりかかって、昼食と休憩(昼寝)計1時間半を挟んで午後3時に終了。けっこう時間がかかりましたが、この仕上がりなら満足です。
「こすったキズでサビだらけ」にせずに済み、「ぶつけて凹んだけれど、キズはない」程度の外観にまで補修できました。かかった材料費は約5500円です。
1週間後:コンパウンドで磨いたら…。
この状態の塗装面、見た目には全く違和感ありませんが、表面を指でさわってみるとザラザラです。そこで、約1週間経過後にコンパウンドで磨くことにしました。
紙やすりのようにザラザラな状態なので、上記と同じコンパウンド細目でいいだろうと判断。ボロ布につけて磨いたら…。
微妙な違いなのでわかりにくいですが、運転席ドア後ろ下部(画像の右上部分)がわずかに「青っぽく」なってしまいました。黄色い塗膜を削りすぎてしまい、白い下地が透けてこういう見え方になったのかもしれません。塗装をもう少し厚めにしてからの方がよかったかも。あるいは、もっと細かいコンパウンドで丁寧に磨いた方が……ということですね。
これ以上やると板金が折れ曲がっている頂点部分をさらに削ってしまいそうなので、ここで終了としました。
長く乗り続けることが、二酸化炭素排出削減にも貢献。
こんな記事がありました。
本文を見ていないので詳細はわかりませんが、同じ車に長く乗り続けることが、二酸化炭素排出量削減に大きく貢献するという研究報告です。
基本的なメンテ(オイルやバッテリーの交換、ブレーキフルードやLLCの車検時の点検等)を怠らなければ、日本車は20年だって乗れそうですから、気に入った車なら長く乗り続けてほしいなと私は思います。その方がお金もかからないし。
今回参考にしたサイト。
今回の補修は、以下のサイトを参考にして行いました。
そういえば、遠い昔にこんなこともありました…。
タッチアップペンの細い筆でぺたぺた塗り、液体コンパウンド(極細)で磨くだけでは、うまく補修できずキズ通りの跡が残りました。やはり、「削って下地を作ってスプレー塗装」の方がきれいな仕上がりになるのでしょう。