この3月、末っ子が大学に進学し、東京でひとり暮らしを始めました。
そして家には、高校生活を共にした通学用自転車が残されました。
というのは、荷物をトラックに積み込むような普通の「引っ越し」をせず、衣類や本をゆうパックで発送するだけで済ませてしまったからです。家具は新規購入して現地に配送。自転車をわざわざ家から下宿先に運ぶことはしませんでした。(自転車だけを発送しようとすると、運送料だけでママチャリが買えちゃうぐらいの額になってしまいます)
しかし、東京でも自転車はあれば便利なはず。
長男のときは、机や本などの引っ越し荷物と一緒に車に積み、私が自力で運びました。
長女のときは、現地で新たに自転車を買ってもらいました。
生活パターンによっては、いらないという可能性もありますしね。
そこで、新生活が落ち着いたころ本人に「自転車いる?」と確かめてみました。すると、「あれば使う」とのこと。
さあどうしよう?
そこで、思いついてしまいました。
私が乗って、持っていこう。
自分で乗って、持っていく?
さすがに全行程は無理でも、数十kmぐらいなら、ママチャリでも走れるはず。
それならば、車に積んで途中まで運び、途中で車から降ろして、あとは私が乗っていけば行けばいいのではないか。行きの車には妻にも同乗してもらい、自転車と私を車から下ろしたら、妻に車を運転して帰ってきてもらうという作戦です。
……なーんて、バカげてますかね。
そもそも、たかが2万円程度のママチャリです。往復の高速代とガソリン代と時間をかけるぐらいなら、お金を渡して現地で新品の自転車を買ってもらった方が、よほど合理的です。
でも。
私、こういう無意味なことが好きなんですよ。
やらなくてもいいことを、面白がってやりたくなってしまうことが、ときどきあるんですよね。
※長女はそういう血を受け継いでしまったのか、「海を見よう」という思いつきだけで、折りたたみ自転車で一昼夜かけて100km以上走ったとか。
準備をして、出発。
そこで、ひびわれていたサドルを交換し、
(やらなくてもよかったかもしれませんが)防犯登録を抹消し、
Google Map上で走行ルートを考えて、地図をいちおう紙にプリントアウト。(私のスマホはこういう用途にちょっと不向きな契約なので)
ママチャリなので、仮にジョギングペースでゆっくり、時速8kmで走るとします。それでも、6時間で48km走れる計算。いくらなんでもそれぐらいなら可能だろうと考えました。
そこで、目的地までの走行距離が50km前後になる地点を探し、そこに近いインターチェンジまで高速道路で運ぶことにしました。
そして当日朝。
持ち物は、500mlのペットボトルを3本と非常食、地図、手にマメができると大変なので手袋。といっても自転車専用のものなど持っていないので、庭仕事用の薄いナイロン手袋を。(指先が破れて穴が開いていたので、スマホ操作にちょうどよかった)
高速のインターを降りて最寄りのセブンイレブンでおにぎりを買い、自転車を車から降ろして、ペダルを漕ぎ出しました。
目的地まで51km。午前8時45分のことです。
※思いついた当初は、高速道路の混雑を避けるため、ゴールデンウィークが終わってからにしようと思っていました。しかし、10連休があまりにヒマで……連休中に決行することに。
幸い、時間帯のせいか渋滞には全く遭遇せずに済みました。
※続きはこちらです。