ごはんを何にするか。大変な問題です。
学校の夏休みには、晩ご飯だけでなく昼ご飯も考えなければなりません。
※とは言うものの、今朝「毎日昼ご飯も大変だね」と妻から言われたときに、即座に「大丈夫だよ。だって考えないもん」と返してしまった私。定番メニューをぐるぐるぐるぐる回しているだけです……。
ごはんを何にするか、いつ考える?
改めて考えてみると、私の場合、食事を準備するときになって「さあ何を作ろう?」とゼロから考え始めることはあまりありません。
ではいつ考えるのか。
まあその時々ですが、ひとことで言ってしまえば、「前の食事が終わったら」でしょうか。
朝食が終わったら昼ご飯を考え始める。昼ご飯を食べ終わったら、晩ご飯を考え始める。そんな感じと言えなくもありません。
ずっと考えている?
しかし当然ですが、ごはんを何にするかをずーっと考え続けているわけがありません。
ごはんを何にするかを決めるさまざまな条件を、頭の片隅に置いておくだけです。
- きのう何を食べたか。
- 冷蔵庫・冷凍庫の中に何があるか。
- 残り物はあるか。残っている(白い)ごはんの量は。
- 何人分作るか。
- 今日使った方がよい材料はなにか。
- 最近食べた料理、しばらく作っていない料理。
…などなど。
こんな条件を頭の隅っこに置いておくだけです。
無意識下で処理。
そして、他のことをしながら、無意識下で「熟成が進む」のを待つ。
ネット的、パソコン的に言えば、「クラウドに投げる」感じでしょうか? データを投げておいて、勝手に処理されて返ってくるのを待つ。
村上春樹の『世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド』がそんなお話でした。(いや全然違います)
うろ覚えで書きますが、主人公は、暗号処理を行う特殊技能を持っています。暗号化が必要な資料を目の前に置いて脳のスイッチを入れると、寝ている間(意識が飛んでいる間)に、自分自身にもわからないルールで資料を暗号化する作業を無意識的に行うことができ、気がつくと暗号化が完了した資料が目の前で出来上がっている。そんな作業を生業にしている男が主人公のお話でした。
その特殊技能者が実は次々と死んでいて…というようにストーリーが進んでいきます。
世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド 上巻 (新潮文庫 む 5-4)
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(しかし、昼寝している間に晩ご飯のメニューが決まっていたら楽だな……)
天啓のようなひらめき。
メニューを決める条件を頭の片隅に置いておくと、脳のリソースのうちの、それとは感じられない1%ぐらいがずっと、晩ご飯メニュー選択のために動き続けます。パソコンの常駐プログラムがバックグラウンドでずっと動いているように。CPUのリソースメーターが0%にならない。
そして、あるとき突然、処理の結果が、「降りてくる」。
混沌の中から、あるいは雲の間から差してきた一条の光のように。
神のお告げ、天啓のように。
ある日などは、そうやって降ってきたワードが「天ぷら」でした。
なのでその日の晩ご飯は、そのお告げに従い天ぷらに。
晩メシを何にしようか…と午後中頭の片隅にあったけれど、突然「天ぷら」というワードが降りてきた。
— イヨ (@iyoiyo2013) 2018年7月5日
鶏天、ナス、甘とうがらし。 pic.twitter.com/A67T7gKuN5
あるいは、そうやって無意識のバックグラウンドで処理させておいて、「さあご飯を作ろう。何にしようか?」と冷蔵庫を開けたとたんに、「熟成結果」がふわーっと意識に上ってくることもあります。無意識下で、すでに何を作るかが決まっていたわけです。
……
そして、そんな風に一度なにかを思いつくと、メニューを考える頭はもうそれ以降一切働きません。
もうそれで決まり。
変更不可。
苦行から開放された頭は、別の案を考えることを一切拒否します。
そんな毎日の繰り返しです。
今日の昼は、うろ憶えの作り方で「油ぞうめん」にしました。
こんな感じだったかな?
確か、本当はいりこだしを使うんですが、細切り野菜と、ちょうどいい肉がなかったので油揚げを軽く炒めてめんつゆで軽く煮て、茹でたそうめんと和えました。