NHK「おはよう日本」で放送されたこんな内容が、きのうネットでちょっと話題になっていました。
残業時間削減などの流れもあり終業が早くなっても、帰宅時間が早くならない人たち、つまり寄り道をしている人たちがいる。そんな人たちをこのコーナーでは「フラリーマン」と名付け、紹介していました。
※NHK、こういうネーミング(ラベリング)が好きだな……。
- 例1:子ナシ共働きの長谷川さん。帰宅しても家事の手伝いをしにくく、奥さんとしても、帰宅してから家事をしたり1人で過ごす時間がほしいとのこと。
- 例2:50代の諫山さん。仕事と親の介護の合間の、1人になれる貴重な時間。
- その他:終業後の気晴らし、時間ができたことへの戸惑い、子ども中心の家庭への帰りにくさなど。
そんな内容でした。
理由はさまざま。
仕事が早く終わってもそのまますぐ帰宅せず寄り道する人たち。
理由はさまざまでしょう。
夫婦関係、共働きかどうか、子供や介護の有無、……生活・家庭環境は千差万別です。
なので、私は一概に責める気にもなれませんし、でもだからといって、開き直って「別にいいじゃん」と単純に言い切るつもりもありません。
それぞれの夫婦間、親子間、家庭の中で、目先のことだけでなく、長い目でみていい関係が維持できるようであればいいなと思うだけです。
性格にもよると思いますが、男女にかかわらず、職場でも家庭でもない1人の時間を必要とする人はいますからね。
私の場合。
そんな内容を見て、昔のことを思い出しました。
いつのことだったかは、よく憶えていません。今から15年前だったか20年近く前だったか。
私は、当時も在宅フリーランス。妻はフルタイムの会社員で、子供が小さいころは残業も結構ありました。なので、帰ってくる妻を私が待つ立場。
当時、私は猛烈に忙しく、仕事と家事・育児に追われる毎日。
夕方5時ぐらいに仕事を切り上げると、保育園のお迎えや通院(慢性的に中耳炎が続いていた時期もありました)、夕食の準備・片付け、保育園バッグの中身の出し入れ、洗濯物の片付け、子供の風呂、寝かしつけなどを次から次へと片付け、一通り終わって子供が寝たと思うと大体21:30。それから私は仕事の続きにとりかかる、というのが日課でした。
ところが。
子供がようやく寝たと思うちょうどその頃に、残業を終えた妻が帰宅することがあったんです。
子供を追い立てるように、口うるさい役回りにもなって毎日のルーティンを片付け、ようやく寝るかと思ったのに、帰って来た妻をみて子供は起き出します。
子供が寝たと思ったのもぬか喜び。それまでの努力が水の泡。
「カンベンしてよ…」と思いましたね。
なので、ある日「悪いけど10時まで帰ってこないで」と妻に言ったんです。
その後しばらく、妻はファミレスで時間をつぶしてから家に帰ってきたそうです。
むかし妻に「悪いけど10時まで帰ってこないで」と言ったひどい夫が私です。/ 男たちがまっすぐ帰らない理由|けさのクローズアップ|NHK おはよう日本 https://t.co/AaT18iO8n8
— イヨ (@iyoiyo2013) 2017年9月20日
帰って来たら子供の顔を見たいという妻の気持ちがわからなかったわけではありません。でも「カンベンしてよ…」という思いの方が強かったんです。
「いいとこ取り」に対する反発。
でも、当時の気持ちについて考えてみると、「振り出しに戻される」という脱力感よりもさらに根深かったのは、「子育てのおいしいところだけ持って行かれる」腹立たしさだったかもしれません。
日常生活に必要なもろもろのことには、子供をせき立て、口うるさく言い聞かせてやらせることも含まれます。言ってみれば「悪役」になる必要があるんです。
子供を早く寝かせたいのも、後に仕事が控えているからだけでなく、子供に規則正しい生活をさせ、明朝ちゃんと起きるようにするため。ちゃんと起きてくれなければ朝のリズムが狂い、保育園登園に支障が出る可能性があります。子供をせき立てて保育園に連れて行く「悪役」にならなければならないのも私ですし、「夜更かしの尻ぬぐい」までさせられたくありません。
日常生活の中で子供を叱る必要がないばかりか、あろうことか夜にお土産まで持って帰ってきて子供を喜ばせる、そんな「いいとこ取り」をされたのではたまったもんじゃない。そんな気持ちだったことを思い出しました。
コミュニケーションの問題。
「いいとこ取り」に対する反発。
それ以外にも、場合によっては
「たまに早く帰ってこられてもイレギュラー対応が大変で、かえって困る」とか、
「早く買ってきても何もしてくれないなら帰ってこないで」という無言の圧力とか、
夫婦間の問題はいろいろ考えられます。
どれもこれも、夫婦間のコミュニケーションの問題なのでしょう。
自分の気持ちをうまく言葉にして、建設的に話し合えればいいんでしょうけどね。
……。