今日はこんな記事が。
メディアからの協力依頼がいろいろな点で非常識じゃないか,という話です。
実は私も,もう15年ぐらい前に雑誌の取材を何件か受けたことがあります。
当時けっこう旬だった「とある話題」について個人で趣味的なHPを作っていたからですが,そのときもいろいろ感じました。SNSはおろか、ブログさえなかった時代のことです。
当時私は猛烈に忙しく,平日も週末も関係なく仕事をしているような生活でした。もちろん妻もフルタイムの会社員ですから,週末は貴重です。
そんな中,ライターとカメラマンの方が日曜に家まで来るというので,午前中は家の内外の片付けや掃除(普段全然やってませんから笑),午後は取材対応。そんな感じで丸1日つぶすわけです。
最初のうちは物珍しさもあり,「こんなものか」と思っていましたが,そんな取材対応が何件か続くと、だんだん疑問を感じるようになりました。
というのは,それだけ時間と労力をかけているのに取材に対する謝礼が特になかったからです(こちらから言ったときだけ,もらえたことも1件あったかな。あとはせいぜい手土産程度)。
向こうは仕事でやってるのに,それってどうなの?
タダで仕入れた材料(取材内容)を加工して(記事にして)売ってるのと同じですよね。
現在はどうなのかわかりません。でも少なくとも当時は,それが業界の慣行だったのでしょう。それにライターの報酬が高いとも思えませんし,ライター個人ではどうしようもないということもあったのだと思います。
でもこちらとしては,雑誌に掲載してもらっても,メリットは何もありません。「趣味でやっている内容」なので、仕事につながるとか売上が伸びるとか,そういうことは全くない。なので、取材を受けなくたって別にかまわないわけです。「ボランティア」として協力するかどうかという判断ですね。
多忙だったこともあり,無償で協力するのもなんだかなーと思うようになったので,協力する労力と時間の分だけ報酬を要求しようと思うようになったんですが,ちょうど時期を同じくして,取材の打診自体がなくなってしまいました。「旬の話題」じゃなくなったんでしょう。
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仕事について取材してもらえるのであれば,非常に大きな広告効果が得られるでしょうから,タダでもなんでも取材してもらいたいという判断は当然あるでしょう。
将来の仕事につなげるために,最初だけタダで(あるいは非常に安く)受けるという判断も、アリだと思います(ただし、それを続けてしまうのはまずい)。
戦略的に安売りするのか,単に安く便利に使われてしまうだけなのか,その区別は重要です。
まして,仕事ではない趣味的なことであれば,「マスコミに取り上げてもらえるんだから嬉しいだろう」的な論理はちょっとどうかと思いますね。当時はともかく、特に現在ならたくさんの人に知ってもらう方法がいくらでもありますから。