フリーランス兼業主夫日記

フリーランス、プラスなりゆきで兼業主夫的生活になって25年超え。生活や子育ての中でブログネタを探しています。記事の内容はその時点の思いつき。現在は考え方が違っているかもしれません。

NHK「目撃!にっぽん」放送を見て。山崎豊子と中国共産党トップの間にこんなやりとりがあったのか。

 

NHKは日曜朝に,「目撃!にっぽん」という30分のドキュメンタリーを放送しています。

日曜の朝に見るにはちょっと重い内容かも…と思う回もありますが,地味ながら考えさせられることもある,いい番組だと思っています。

 

www4.nhk.or.jp

 

昨日(2017年11月26日)の放送は,「そして名作は生まれた 山崎豊子"大地の子"誕生秘話」でした。

大地の子』は,中郷残留孤児(戦争孤児)の戦中・戦後,国共内戦文化大革命を経た過酷な半生を描いた大作です。

 

山崎豊子は,この大作を書き上げるために当時の中国共産党トップ,胡耀邦総書記と3度面会し,取材申し入れなど直談判したとか。知りませんでした。その熱意……1人の作家が中国共産党トップに面会,取材許可をとりつけるとは。訪問先が本当の状況を見せてくれないといったクレームまでつけ,そして総書記は改善を約束したそうです。

そんなことが一体ありえるんでしょうか。現在ではとても考えられません。

熱意のたまもの,そして中国側の理解があってこそだったのでしょう。

 

今回の番組は,そのやりとりを記録した肉声のテープが新たに発見されたことによるもの。

山崎豊子の申し入れ。それに対する胡耀邦総書記の答え。そういったやりとりがそのまま残されています。

 

でもその内容は,3回目の面談では大きく変化してしまう。

「3年後はどうなっているかわかりません,小説は必ず完成させて下さい」というような内容だったか…。胡耀邦総書記の弱気な発言は,権力の低下によるもの。

 

親日政策をとり中国の民主化にも理解のあった胡耀邦総書記はその後失脚し,党総書記を解任され,2年後に病死してしまいます。その死を悼む学生の追悼デモが,天安門事件に発展するのです。

 

大地の子が完成したのは胡耀邦総書記の死後。

山崎豊子が作った文化財団は,残留孤児にルーツをもつ子供たちへの支援を続けているそうです。

 

再編集してNHKスペシャルになるのではと思うほどの,内容のある30分でした。

近現代史を勉強しなきゃなあと改めて思いました。

 

www4.nhk.or.jp

 

そうだったのか!現代史 (集英社文庫)

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