昨日の記事を書いていて、『未来少年コナン』を思い出しました。
記念すべき、宮崎駿初監督作品にしてNHK初のアニメ。1978年のことです。
半年にわたり毎週放送されたので、全26話もあります。
どんなストーリー?
Wikipediaに詳しく書かれていますが、ごくおおざっぱに2行で紹介すると。
最終戦争後の世界。旧世界の最終兵器につながる秘密を握る博士の孫娘を救った少年が、世界征服を企む悪者による最終兵器復活を阻止し、平和を取り戻す。
……なんていう感じかな(要約しすぎ)。
こうしてみると、8年後に制作された『天空の城ラピュタ』に少し似ています。
ラピュタの2時間分が26話=13時間分あると思ってもらえれば。
宮崎駿監督がどこかの記事で「ラピュタのような冒険活劇を作るのは楽でいいんだが」というような話をしていたあいまいな記憶がありますが、『未来少年コナン』は、まさに冒険活劇という言葉がぴったり来るかも知れません。
登場人物は?
主人公は、最終戦争後の世界に生まれた野生児のコナン。ギャグマンガかと思うほどの超人的な力で活躍します。
ヒロインは、ラナ。旧世界のエネルギー源である太陽光発電衛星の秘密を知る、ブライアック・ラオ博士の孫娘です。ただ守られる立場だけでなく、気丈に戦う女の子でもあります。宮崎アニメだし…ね。
悪役レプカは、ラピュタでいうムスカ的な役回り。レプカの部下モンスリー(女性)は、終盤に転向して味方に。ビジュアルは、ちょっとぽっちゃりしたナウシカか。
コナンのよき相棒であるジムシーや、帆船バラクーダ号のダイス船長は、お笑い担当かな。
その後の宮崎アニメの原形的なものがあちこちに見えるかもしれません。
ただ、「おばあちゃん」に相当する役(ナウシカの大ばば様、ラピュタの女海賊ドーラ、トトロのおばあちゃん、千と千尋の神隠しの湯婆婆みたいな)はなかったなあ。
原形といえば、登場するメカである飛行艇や最終兵器ギガントの有機的なデザインも、その後の宮崎アニメに続くものであるように思います。
なぜ話題にならない?
『天空の城 ラピュタ』に出てくるムスカの「目が、目があ~」「読める、読めるぞ」「人間がゴミのようだ」とか「バルス」はこんなに有名なのに、コナンに出てくるレプカの「うろたえるな」とか、モンスリーの「ばかねっ!」が全然使われないのは、なんででしょうね?
おそらく、26話(週1回半年分)もある長いテレビアニメなので、再放送されないからなのでしょう。
NHKで本放送されたあとで民放で何回か再放送されたことがありますが、最近はごく一部の地方局で再放送された程度のようです。
手書きの古いアニメ、というだけの位置づけになってしまったんでしょうか。
レプカの全権掌握によって復活したギガントに自動でエネルギーが補給される様子、格納庫からゆっくり出てきて浮上するシーンなどは、当時すげーっと思ったものなんだけどなあ。今の2D CGアニメの方が絵はよほどよくできているんでしょうけど。(よく知らない)
制作されたのは最初のガンダムの1年前ですが、ガンダムと違って全く注目されていないのが寂しい。
最後のクライマックスは大津波なので、そういう難しさもあるんでしょうか。
NHKのお墨付きのある、男の子にも女の子にも最適のアニメです。レンタルされているのかどうか。知らなかった人には、ぜひ見てほしいですね。