今朝はこんな小さなニュースがありました。
「ワンボックスカーと軽乗用車が出合い頭に衝突し、1歳と5歳の女の子を含む、4人が軽傷」
「現場は、田んぼに囲まれた見通しの良い交差点で、ワンボックスカーが走っていた東西方向の道には一時停止の標識があった」ということです。
現場は、サムネイル画像のとおり視界を遮るものが何もない、田んぼの中の交差点です。どうして事故になったんでしょう? もう一方から車が来ていれば絶対見えるはず。
コリジョンコース現象。
多分、コリジョンコース現象です。
交差点に向かう2台の車の速度が同じだと、視界の中の同じ位置で、相手の車が止まったままになる。そうすると、車の存在に気付かなくなってしまうんです。
その状態のまま交差点に近づき、直前になって速度差が大きくなってくると、不意に相手の存在に気付きます。まるで車が突然出現したように思えるほどです。
そして運が悪いと、止まりきれず、よけきれずに事故になってしまうわけです。
どれほど「見えない」かは、体験してみるとわかります。
ウチのそばにはこのような田んぼの中の交差点が割合ありますが、けっこう怖いですよ。私はいつも、そういう交差点に近づくときは首を大きく振って注意しながら周囲をみています。
ネコは、動く物によく反応する一方で、動かないものを認識しにくいと聞いたことがあります。人間にも同じような視覚のクセがあるのでしょう。
Photo by 写真素材 足成
シミュラクラ現象。
ついでに。
こんな名前の現象もあります。
点が3つ、三角形の頂点のように並んでいると、顔にみえてしまうという現象。
人間が特に顔を認識しやすくなっているからなのでしょう。
青木まりこ現象。
本屋に行くとなぜかトイレに行きたくなる。
そんな経験がある人は多いのではないでしょうか。
理由は諸説あり、定かでないようですが、書店でトイレに行きたくなる現象そのものには「青木まりこ現象」という名前がつけられています。
それほどよく知られている現象だということですね。
○○現象ではないけれど。
私が好きなたとえ話に「ビュリダンのロバ」というのがあります。
お腹をすかせたロバから2つの方向、同じ距離に同じ量の干草を置くと、ロバはどちらに行こうか悩んでしまい、動けずにそのうち餓死してしまう、というたとえ話です。
「そんなバカなことあるわけない」
もちろん現実にはこんなことは起こらないでしょう。
片方に行って干草を食べ、足りなければもう一方にも行けばいいのですから。
でも、このたとえ話のようなことが本当にあったとして、そのロバを笑えるでしょうか?
何か2つのことをしなければならないとき。どっちを先にしようかと不必要に思い悩むことはないでしょうか。どちらでもいいからとにかくさっさと一方に手を付け、片付けてからもう一方にとりかかれば済むことなのに。
ロバに笑われないようにしなければと、ときどき思います。