私のちょっとした不思議体験、もぅ1つありました。
大学生時代のことです。
理系の学部にいた私は、4年生になって研究室に所属するようになりました。しかし決して真面目な学生ではなく、日中は遊んでいて、暗くなってから申し訳程度に卒業研究の実験したり文献を読んだり、大した用もないのに大学に泊まり込んだり。そういう生活をしていました。
そんなある日のこと。
遅くまで研究室にいた私は、バイクで家に向かって走っていました。午前0時過ぎだったか1時過ぎだったか、あるいは2時を過ぎていたのか、よく覚えていません。
車がまったく走っていない郊外の道。周囲は工場や倉庫が点在しているぐらいで、あとは草むらだったり雑木林だったり。ミラーを見ても真っ黒で何も映らないほどの暗い道でした。(何も映らないはずのミラーに何かが映っていたら、その方がよほど怖いんですけどね)
そんな深夜の直線道路を、制限速度を超えるスピードで前だけを見てひたすら走っていたとき。
突然、左の足元にガンッと衝撃が走りました。
何かが激しくぶつかったんです。
私が当時乗っていたのは、250ccのオフロードバイクでした。こういうタイプのバイクは、悪路の走破性を高くするために、エンジンやステップ(足を載せるところ)がオンロードバイクよりも高い位置に取り付けられています。私のバイクも、ステップは地面から30cm近い高さにあったと思います。そんな位置にある私の左足に、何かがすごい勢いでぶつかったわけです。転倒するほどの勢いではありませんでしたが、オフロードバイク用のゴツいブーツを履いていなければ、足首を変にひねるぐらいのケガはしたかもしれません。そう思ったほどの衝撃でした。
真っ暗闇の中で、何の予兆もなく突然起きたそんな出来事。前輪にもハンドルにも右足にも後輪にも、何も異常はありません。
ギャッというような動物の声もなく、真っ暗闇の中で左足に衝撃を感じただけ。
私は何が起きたのか全くわけがわからず、怖くなって、そのままスピードをゆるめることなく家まで走り続けてしまいました。
そして翌朝。
バイクを見てみましたが、左のステップのあたりに事件の痕跡は何も残っていません。
同じ道を逆向きに大学に向かって走り、その出来事があったと思われる場所を少し見回してもみました。あれだけスピードを出していたバイクに、あれほどの衝撃で動物がぶつかったのなら、無傷では済まなかったはず。道路の反対側あたりで力尽きて死んだ動物がいるかもしれないと思ったんです。
しかし、動物の死体はおろか、血痕のようなものさえ全く見当たりませんでした。
私の足の位置は結構高いところにありましたから、ある程度の大きさの動物だったはず。ネコでは小さいし、体重が軽すぎます。かなり大きなイヌや、タヌキだったんでしょうか。
あるいは……他の何かだったんでしょうか。
noteの「#私の不思議体験」に乗っかって書いてみました。(内容は同じです)