先日、『君の名は。』地上波放送を見終わって、ふとテレビのチャンネルを変えたときのこと。
たまたま、Eテレが映ったんです。
日曜日23:00から放送の「美の壺」。
ちょうどそのときの放送回が、折り紙でした。
しかも、そのとき画面に映っていたのは、和紙で折られた人形のような折り紙。
「折形手本忠臣蔵だ!」
すぐわかりました。子どものころに買った、私が持っている本の中で最も古いものの1冊に、それが紹介されているからです。
折形手本忠臣蔵とは。
忠臣蔵(赤穂事件)を題材に、登場人物の名前を変えて作られた人形浄瑠璃・歌舞伎の演目が「仮名手本忠臣蔵」。
そしてその各場面を折り紙で表現した江戸時代の折り紙が、「折形手本忠臣蔵」。
大判のポスター状のもの2枚に、完成図と折り図が示されていたとのこと。
懐かしくなったので、その中のごく一部を作ってみることにしました。
手元の資料は。
私が持っている、折形手本忠臣蔵の資料は、これです。
『おりがみ 4』笠原邦彦 著、有紀書房。
おそらく昭和46年(1971年)ごろ出版と思われます。
前半5分の4ぐらいは、子ども向けの普通の簡単な折り紙が説明されており、最後の5分の1ぐらいが「折形手本忠臣蔵」の紹介になっています。(前半とのギャップが大きい…)。
著作権の問題になってはいけませんから詳しい内容は載せられませんが、冒頭部分は以下の通り。
(古い本なので、分解しそうです……)
実際に折ってみました。
全部で11段ある忠臣蔵の場面の中から、「美の壺」の番組にも登場した第4段のものを折ってみました。桜を活ける「かをよ御前」と「大星力弥」です。
こうなりました。
けっこう似ていませんか?
頭のところをきれいに丸くつぶすのが、慣れないと難しいんですよ。
江戸時代の「かやら草」という折り紙資料に出てくる折り紙もそうですが、この「折形手本忠臣蔵」に出てくる折り紙は、正方形から折るのではなく、6つの頂点をもつ星形の基本形から折る点が独特です。
この本では基本形の折り方の説明はありますが、そこから実際の人物を造形していく詳しい手順は示されていません。
江戸時代当時も、大判2枚に描かれていただけですから、やはり同様に詳しい手順までは書かれていなかったのかもしれません。当時も、完成図と簡単な説明だけを見ながら、パズルのように折り紙を楽しんでいたのでしょう。
現在も、「折形手本忠臣蔵」が紹介されている書籍は探せばあると思いますので、興味のある方はぜひ探してみて下さい。
昨晩、君の名は。を見終わってチャンネルを変えたら、Eテレ「#美の壺」が「折り紙」だった。#折形手本忠臣蔵 が画面に出てきてびっくり。番組冒頭を見逃したが、出演していたのは笠原邦彦先生だろうか?
— イヨ (@iyoiyo2013) 2019年6月30日