地元の学習支援団体のブログに、「連立方程式、社会に出て何の役に立つの?」「三角比って測量の仕事以外使わないんでしょ? やる意味ないじゃん」などと言われたらどう答えますか、という記事がありました。
学校の勉強が苦手なのに塾に通えないため、その団体が行っている学習支援に通っている中学生・高校生の言葉でしょう。
その記事には、「できないことをできるようにする経験を積み重ねさせることにより、それぞれの夢に近づくことができるようにしたい」とありました。
私だったらどう答えるだろう? と考えてみました。
今回はその3です。
前回はこちら。
騙されないようにするため。
「面倒くさい、役に立つかどうかわからない、役に立つと思えないことをやらない」習慣が体に染みこんでしまうと、「ややこしいことは考えず、手っ取り早くわかりやすい答えで解決したことにする」ようになります。
そうやって考えることをやめ、しかも知識もないとなると、簡単にだまされるようになってしまうでしょう。
「知らない人が多いけれど、隠された真実はこうだ!」といった陰謀論にはまりやすくなるでしょうし、怪しい「健康食品」や「サプリメント」、ダイエット法なんかも簡単に信じてしまいそう。
こういう話になったとしたら、例えば「DHMO」の話などもしてみたいですね。
子どもたちの目の前に、透明な液体が入った小瓶をもっともらしく置いて、言うんです。
「実は、世の中のほとんどの人は知らないんだけど、ジハイドロゲンモノオキサイドっていう非常に重要な化学物質がある。略してDHMO。人間にとって必要不可欠な化合物なんだ。ここに少しだけ持ってきたけれど、1本1万円なら売ってあげるよ。どう、買わない?」
とかなんとか、適当なことを。
(「非常に危険で、いままでこの化合物のために死んでしまった人は数え切れない」と言った方がいいかもしれませんが、それだと「売りつけられない」ですよね笑)
もしこの記事を読んでDHMOをご存じなかった方は、ぜひ調べてみてください。きっと面白い記事がいろいろ見つかると思います。
「しくみ」を知らず不利な扱いを受けないようにするため。
「面倒くさいことは考えない」「わかりやすい方に流れる」と、損をしがちです。
世の中の仕組みは、「頭のいい人たち」が考えた複雑なもの。
そして、それは一から十まで丁寧に全員に教えてもらえるわけではない。
知っている人だけがトクをし、知らない・知ろうとしない人はソンをする。
世の中はそういう風にできています。
だから、面倒に思えることでも、ちゃんと調べて考えることは大切。
学校の勉強はその練習とも言えます。
……こんな説得の仕方はどうでしょうか。