先日のNHK「クローズアップ現代+」で、デジタル・フォレンジックが取り上げられていました。
内容は大きく分けて2つ。
- 破損したデジタル機器、意図的に消去されたデータ、意図せずパソコン等に記録されていた普通は利用しないデータを取り出し、犯罪捜査や裁判、あるいは災害の被災者に役立てる試み。
- デジタル遺品の取り扱い。故人のパソコンやスマホの中にあるデータを遺族が見ることはできるのか?
「1」の中で、データを復元して犯罪捜査や裁判に利用するのが「デジタル・フォレンジック」。
デジタルフォレンジック(コンピュータフォレンジック)とは - IT用語辞典
フォレンジックという英語にはなじみがありませんが、上記のサイトではわかりやすい意訳として「デジタル法科学」「デジタル鑑識」という表現があります。
警察庁のサイトでは「犯罪の立証のための電磁的記録の解析技術及びその手続き」とされています。
番組で紹介されていたのは、パソコンの操作履歴や消去されたデータの復元などさまざまな技術を使って、データ漏洩の経路を特定したり、過重労働の証拠となる証拠を集めたりする様子。
災害で水没したり泥まみれになったデジタル機器やメディアから、可能な限りデータを復元する様子もありました。
番組中で驚いたのは、パソコンのハードディスクドライブ(HDD)を分解洗浄している場面。(上記公式サイトの書き起こしでは、省略されています)
HDDを分解してヘッドを取り出し、何かの溶剤で洗浄していると思われる場面が映し出されていました。そこまでやるのか!という感じ。
データを完全に消滅させるには一体どうすればいいの? っていう感じです。
パソコン廃棄時に注意すべきこと。
番組冒頭にありましたが、よく言われるように
- Windowsパソコンで、データを「ゴミ箱」に入れ、
- 「ゴミ箱を空にする」操作をしても、
データは消えません。おそらく、本の「目次」に相当する部分だけが消えて通常の操作で見えなくなっているだけ。データそのものは残っています。専用ソフトを使えば簡単に復元できるはず。
なので、完全に消去するために、私は以前、HDDに別のデータを一杯に上書きして消去、上書きして消去というのを何回か繰り返したことがあります。
しかし今回の番組中では、そのような操作で消したはずのデータも解読されていた様子。
ですから、情報の漏洩を絶対に防ぎたい場合は細心の注意が必要です。
私がやっている廃棄方法。
現在、私はパソコンを廃棄するとき、HDDだけは取り外して自分で分解し、バラバラの状態にして廃棄しています。
残ったPC本体は、メーカーや自治体の回収に出しています。
HDDを完全に消去するための、米軍で使用されているのと同様の消去専用ソフトなども売られているように記憶しています。機密情報を扱っている場合は、そういうソフトの利用も選択肢に入るかもしれません。
ちなみに、HDDを分解すると、メカ好きの男の子やキラキラしたものが好きな女の子が好きそうな部品がいろいろ取れますよ。
超強力な磁石(ネオジム磁石かな)、ピカピカの鏡のような円盤、ステンレスのリング、などなど。
東京オリンピックのメダルのために古い携帯やスマホの回収が進められていますが、情報漏洩を考えるとどうも回収に出す気になれません。
特に、回収ボックスがポンと置いてあるようなところには、です。
あれって、外から手を突っ込むといくらでも持ち去ることができちゃいますよね?
目の前で穴をいくつもあけて明確に壊してくれるなら、回収に出してもいいと思うんですが。