生命保険は、人生の中で不動産に次いで大きな買い物と言われています。
しかし保険商品は複雑だし、保障だけが目的ならまだしも、貯蓄性や一時金などを考え始めてしまうとややこしくなってしまいます。
今回は、保険の第一の目的である「死亡保障」について書いてみます。
似たような名前の保険商品がいろいろ。
掛け捨て、つまり掛け金(=保険料)が保障額に対して相対的に安い死亡保険には、定期保険、収入保障保険といったものがあります。
しかしそれ以外にも、所得保障保険、就業不能保険といった保険もあるし、定期保険の中には平準型、逓減型、逓増型といった種類があります。
このようないろいろな保険、どんな違いがあるのでしょうか。
定期保険=「安い掛け金で大きな死亡保障」。
定期保険は、一定期間に限って(=「定期」)、高額の死亡保障を、保障額に対して相対的に安い掛け金で得たいときの保険です。
保険料は基本的に掛け捨てで、契約期間中変わりません。
一番わかりやすいイメージの生命保険ではないでしょうか。
この定期保険には、平準型、逓減型、逓増型の3種類があり、ふつう定期保険と言ったら平準型を指します。
平準型定期保険は、契約期間中、保障額がずっと変わらない定期保険。
契約の翌日に亡くなっても、契約期間が終わる前日に亡くなっても、支払われる保険金は同じです。
逓減型定期保険では、期間が経過していくと保障額(=死亡時に支払われる保険金)が減っていきます。
逓増型定期保険では、期間が経過していくと保障額が増えます。
収入保障保険=「得られたはずの収入を遺族に補償する保険」。
それに対して収入保障保険は、「本人が生きていたら得られたはずの収入に代わるお金を、保険金として遺族が受け取れる」イメージの保険です。
例えば、本人が65歳の定年まで働けるはずだったと仮定します。
それが、40歳で亡くなったら残り25年間分、45歳で亡くなったら残り20年間分、50歳で亡くなったら残り15年間分の収入に相当する額(実際は保険契約時の保障額によって決まる)が、保険金として支払われることになります。
つまり、「ふつうの(=平準型)定期保険は契約期間中、死亡時の保障額が変わらない」のに対して、「収入保障保険は、死亡時期によって保障額がだんだん減っていく」という違いがあります。(この点は、逓減型定期保険に似ています)
では、保障額が減っていくことのメリットは何か?
毎月・毎年の掛け金がその分安いことです。
似たような性質の保険商品は、他にもいろいろ。
これ以外に、似たような保険として所得保障保険と就業不能保険があります。
所得保障保険:
病気やケガなどで長期間働けなくなったときに、収入の一定割合までが給付される保険。つまり、死亡保険ではありません。自営業・自由業・フリーランス向き。
就業不能保険:
所得保障保険と同じ性格の、生命保険会社が販売している保険商品。
販売会社の違い。
上記の4種類の保険、販売会社が違います。
- 定期保険、収入保障保険、就業不能保険:生命保険会社
- 所得保障保険:損害保険会社
保険商品は複雑で難しいし、時代とともに変化する。
保障内容はそれぞれの保険商品によって違いますから、必要とする保障が何か、それに対する掛け金はいくらかなど、よくよく検討する必要があります。難しいですが、長い目でみると高額の買い物。必要な保障を得、かつ掛け金を払いすぎることのないように考えなければなりません。
また、こういった保険商品は、5年や10年で変化します(私が生命保険に加入した当時は、まだ収入保障保険はなかったように思います)。
5年、10年、20年ごと、あるいはライフステージの変化に合わせて、定期的に保険を見直す必要もあるでしょう。