フリーランス兼業主夫日記

フリーランス、プラスなりゆきで兼業主夫的生活になって25年超え。生活や子育ての中でブログネタを探しています。記事の内容はその時点の思いつき。現在は考え方が違っているかもしれません。

子どもの自由研究で親がやりがちな失敗について考えてみました。

 

ウチの子どもには、なぜか夏休みの宿題として自由研究はほとんど出ませんでした。

そしてみんな大きくなり、もはや夏休みの宿題自体から卒業。

 

そんな私ですが、自由研究について「親の立場としてやりがちな失敗」について思ったことがあったので、書いてみることにします。

 

自由研究、分野は理科限定?

 

私はずっと理系育ち。なので、「研究」という言葉を聞くと自動的に「実験」とか「観察」を思い浮かべます。

 

つまり、身近なことに疑問を持ったらそれについて仮説を立て、検証方法を考え、実験を行い、結果をまとめ、それについて考察する。実験について考えるときは、条件の何を揃えて何を変えるかを考える、などなど…。

 

ところが。

 

どうも小中学校で自由研究と呼ばれているものは、「理科」限定ではないような気がします。学校や先生によっても違うでしょう。

お子さんの学校、担任の先生の言う「自由研究」が具体的にどのようなものを指しているのか、事前に確認しておいた方がいいのではないでしょうか。(夏休み中は難しいですが)

「理科」限定なのか、社会のような分野でもいいのか、図書館で調べたことをまとめるような方法でもいいのか、見学会のレポートのようなものでもいいのか。

 

そこを間違えると、そもそものスタートから子どもに対するアドバイスがピントはずれになってしまいます。

 

「ちゃんとした内容」でないとダメ?

 

分野はともかく、子どもが何かに興味を持ち、調べたいと考えたとしましょう。

でも、しょせんは子どもの考えること。「くだらない」とか「そんなしょうもないこと」とか思ってしまわないでしょうか? 「もっとちゃんとしたテーマを考えなさい」なんて言わないでしょうか?

 

テーマは、子どもが興味をもったことが一番です。たとえくだらないことに思えても、それをどうやって膨らませ拡げるかを考えることが大切。

 

そもそも、何が「くだらない」かなんて、誰にもわかりません。

 

一昨年だったか、「妹ばかりどうして蚊に刺されるのか」という高校生の研究が話題になりましたよね。この高校生は現在はアメリカで研究生活を送っているそうですが、これなど、テーマだけ聞けば「ばかばかしい」で終わってしまいそうなものの典型ではないでしょうか。それなのに、しっかり実験を繰り返してまとめたことにより結果につながった。

 

クラゲを集め続けてノーベル賞を取った下村先生、土を集め続けてノーベル賞を取った大村先生。端から見れば「ばからしい」と映ることもあったのではないでしょうか。

 

「ちゃんとした」研究=「役に立つ結果が出る」研究が最初からわかればこんなに楽なことはありません。研究というのは、そういうものではありません。

 

まして、たとえば小学生なら、とにかく自分が興味をもったことを調べてみることが最優先です。それが大人の目からみてどんなにばからしくても。

そもそも、疑問や興味を持つということはすばらしいことですから、その芽をつぶすべきではありません。

 

例えば、「水は100℃で沸騰する」というのは、小学生でも知っていることです。でも実際にやってみたら本当にそうなるでしょうか? 温度をはかりながらお湯を沸かしたことのある人が、どれだけいるでしょうか?

こんな「あたりまえのこと」を実際にやってみて観察し、わかったことをまとめるだけでも、立派な自由研究になります。実際にやってみると、頭で知っている知識と目の前の現象が一致しないなんていうことも、往々にして起きますしね。「本当に100℃で沸騰した!」になるか、「そういえば、沸騰ってどういうことだっけ?」とか、「あれ? 98℃なのに沸騰してるみたい」とか、「温度が101℃になっちゃった?」とか、おかしなことが起きるかもしれません。正解がなにかはともかく、なぜそんなことになったのかを考えてみることだって、立派な理科の勉強です。

 

まとめ切る、完成させること。

 

ここは親のフォローが必要な場面でしょう。

どんなに「くだらない」と思える興味でも、それを膨らませて子どもの興味を引き出し、調べたり実験したり観察したりさせたら、それを形にして完成させることが最後の大仕事です。

 

ここで、「親の目からみて100%の完成度」を求めてはいけません。

 

まず、30%の完成度でもいいから、とにかく完成の目処を付けること。そこから余裕があれば完成度を上げていけばいいんです。(これは大人のやることでも同じ)

 

子どもがどれほど頑張っても、親の感覚としては納得できないと思ってしまうかもしれません。しかし、出来はともかくとして、子ども自身に「やりとげた」という達成感を感じさせることの方がはるかに重要です。

親の労力は、完成度ではなく「とにかく完成させること」の方に振り向けるべきです。

 

ところで、まとめ方のテクニックとしては、

  • 文章は長文にしない。見出しや箇条書きを効果的に使う。
  • 図や表、イラストなどを多用する。色もカラフルに。

なんていうことが有効ではないかと思います。

 

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とは言っても、じゃあそういう自分は子どもにそんなフォローがちゃんとできたの? と言われると、全然できなかったんですけどね。はたから言うだけなら簡単です……。

 

自由研究で悩む日本中の親子が、少しでもいい経験ができればいいなと思います。

 

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