「三つ子の魂百まで」。
子育ての最中に、必ず聞く言葉の一つでしょう。
でも、どういう意味で使いますか?
「幼児期の性格は大人になっても変わらないものだ」。
という意味だと思っていました。(三つ子=3歳児=幼児期)
(もちろん、ただのことわざですから、普遍的真実を表しているわけではありません)
ネットを調べてみても、「本当はこちらの意味!」といった記事が多い様子。
しかし「本当は~」と言われているということは、それ以外の使われ方も多いということ。
「幼児期の育て方が大人になるまで影響を及ぼす」??
つまり、三つ子=3歳児=乳幼児期までの教育が大切、という意味に解釈する人が結構いらっしゃるようです。
でもこれって元々の意味ではないですよね?
「言葉は生き物」であり、何が正しい表現で何が間違った表現かは時代とともに変わっていくもの。しかしこういう「ことわざ」のようなものは、元の意味を残しておきたいと、個人的には思います。
「情けは人のためならず」のように。
(もちろん、「情けをかけるのは人のためにならない」という意味ではありませんよね)
三歳児神話。
後者のように解釈される背景には、いわゆる「三歳児神話」があるように思います。
3歳児神話とは、
「子供が3歳になるまでは母親が子育てに専念すべきであり、そうしないと成長に悪影響を及ぼすという考え方」。(ウィキペディアより)
戦争孤児について追跡調査した結果、乳幼児期に母親が保育しなかった子どもは大人になってから問題が増えた、という研究が発端の一つだったように聞いた記憶があります。
調べてみると、ジョン・ボウルビイの1951年の研究にそのようなものがあります。
その後、1998年の厚生白書で「合理的根拠は認められない」とされ、2001年の日本赤ちゃん学会では「母親の手で育てないと悪影響」という点については懐疑的、ただし「3歳までに正しい刺激を与えなければ健常な発達が望めないことがある」とされました。
3歳までで性格が決まるかどうかはわからないけれど。
持って生まれた性格が大人になるまで続くのかどうか、あるいは大きく変わることもあるのかどうか、本当のところはわかりません。しかし、ウチの子を見ている限り、少なくとも子どもそれぞれに「持って生まれた性格」があり、表面上はともかくとして根っこのところは成長してもあまり変わらないのではないかという気はします。
そんな性格・性質が変にねじまげられることなく、素直に成長し個性を発揮できるようになってもらいたいものです。