サッカーワールドカップとの関連でしょうか。
アメリカで10歳以下の子どものヘディングが禁止されていることが、最近ネットで話題になりました。
「14年にはヘディングの安全性をめぐって、保護者のグループがアメリカの複数のサッカー競技組織を相手に訴訟を起こす事態が生じた。訴えは棄却されたが、その後、一定以下の年齢の子どもには男女を問わずヘディングを禁止することが決まっている(対象年齢は競技組織によって異なる)。」
(上記記事より)
イングランド・プロサッカー協会も同様の提言をしたとか。
「10歳未満のヘディング禁止を提言」(AFP)
スポーツでの脳振盪の重大性が最近クローズアップされてきていますが、脳振盪だけでなく脳への衝撃全般が日本でももっと問題になってくるのかもしれません。
サッカーのヘディング、私はどうも気になってしまいます。
というのは、友人が1人、40代のころにくも膜下出血で亡くなったから。
その友人は、中学時代からずっとサッカーを続けていました。
その友人が亡くなったクモ膜下出血の原因になったのが、椎骨動脈解離でした。
椎骨動脈は、頸椎の骨の間を通って脳に血液を供給する、重要な血管の1つです。
その血管の壁が何らかの理由で内側から剥がれ、最終的に破れてしまうと、出血が脳の方に及んでクモ膜下出血になることがあるらしい。
クモ膜下出血の原因として多いものではありませんが、原因になる場合はあるとのことです。
そして、この椎骨動脈解離は、
「日常的な首の運動の積み重ねや軽いけがで、内弾性板が弱って椎骨動脈解離が起きると考えられる。ゴルフのスイング時やカイロプラクティックの施術時、車をバックさせるときの首の急なひねりでも椎骨動脈解離は起きることがある。首を鳴らす癖がある人も要注意だ。」(上記記事より)
とのこと。友人の場合、長年のヘディングが誘因になったのではないかと気になります。
もちろん、どんなスポーツだって、軽いケガから、まれに重大な事故まで起きることはあります。友人の例も、事実は「たまたまそうだった」だけなのでしょう。それに、サッカーを長年日常的にやっている人が世界中にたくさんいるにもかかわらず、そういう人でくも膜下出血が特に多いという報告は見当たりません。
椎骨動脈解離についてはわかりませんが、似たように動脈の血管内壁が剥がれる疾患で死亡率も高い大動脈解離(加藤茶さんが罹患したことで有名)は、喫煙や動脈硬化、高血圧、高いコレステロール値、糖尿病などが危険因子。それらを解消することの方がはるかに重要です。
とはいうものの、ヘディングと聞くと、中学時代スポーツ万能でクラスのヒーローだった友人のことが思い出されてなりません。