スーパーに行くたびにずっとモヤモヤしていました。
商品の価格表示です。
「○○○○円(税抜)」のあとに、小さく「○○○○円(税込)」。
「どうして税抜き価格を表示しているんだろう?
総額表示が義務付けられているはずなのに!」
ルールを守らない、いいかげんな店ばかりだなあ、と思っていました。
ところが、調べてみたらこれで問題なかったんです。
総額表示の義務化。
2004年から、商品(書籍以外)の価格表示では消費税込みの「総額表示」が義務付けられてきました。
(もっと最近のことかと思っていましたが、消費税5%の時代からだったんですね)
なので、2004年以降、税抜き価格を表示することは認められなくなりました。
総額表示義務の廃止。
ところが、2013年10月1日の「消費税の円滑かつ適正な転嫁の確保のための消費税の転嫁を阻害する行為の是正等に関する特別措置法(平成25年法律第41号)(長い……)施行により、その総額表示義務がなくなっていたんです。
「消費税の円滑かつ適正な転嫁のため必要があるときは,現に表示する価格が税込価格であると誤認されないための措置を講じているときに限り,税込価格を表示することを要しない(総額表示義務の特例措置)。
※ 税込価格を表示しない事業者は,できるだけ速やかに,税込価格を表示するよう努めなければならない」
とのこと。「税抜き価格だ」と明示してあれば、税抜き価格を表示してかまわないということですね。
それで今でも、小売店店頭では税抜き価格を大きく表示し、税込価格を小さく表示するという方法が問題なく行われていたんです。調べてみるまで知りませんでした。
(当初この特別措置法の期限は平成30年9月30日でしたが、その後平成33年3月31日まで延長されました)
うちの近所には、今でも税込価格で表示する戦略をとっているスーパーが1軒あります。総額表示義務が復活する3年後まで、なんとか堪え忍ぼうという作戦でしょう。
総額表示義務が復活し、他のスーパーがそれによって見かけ上値上げしたような印象になれば、ずっと総額表示で耐えてきたそのスーパーは、逆に価格据え置きのような割安感を演出することができますから。