昨年の所得に基づいて住民税の額が決まる時期です。
私のところにも通知書が来ました。
フリーランスですから、給与天引きでなく納付書で自分で納付する形。
(去年から銀行引落をやめ、nanacoでコンビニ払いにしてTポイントを稼いでいます)
個人型確定拠出年金を始めたのが一昨年の年末だったので、去年は、確定拠出年金の掛け金をまるまる1年払った初めての年になりました。
すると!
住民税が安くなっている!(所得税もそうでしょうけど)
改めて実感しました。
具体的金額はちょっと生々しいので書きませんが、個人事業主・自営業者・フリーランス、つまり国民年金の第1号被保険者は、個人型確定拠出年金の掛け金を月額68,000円まで拠出(支払)できます。
※会社員(第2号被保険者)の場合は、基礎年金=国民年金部分のほか厚生年金にも加入しているので、確定拠出年金に拠出できる額が変わってきます。
住民税、どれぐらい安くなる?
例えば、上限の1ヵ月68,000円を拠出したとしましょう。
12ヵ月で816,000円です。この額が所得から差し引かれるので、税金がその分安くなる。
どれぐらい安くなるかというと。
住民税の税率は10%ですから、816,000×10%=81,600円。
年間8万円も安くなるんです!
これはつまり、816000円に対して1年間で8万円の利子が付いた、つまり10%の利子が付いたのと同じこと。
仮にその80万円で投資信託を積み立てていて、運悪く10%値下がりしていても、税金が安くなった分でカバーできるということです。
上限一杯の拠出額でなくても、「10%の利子が付く」効果は変わりません。
1ヵ月3万円の拠出なら年36,000円、
1ヵ月1万円の拠出なら年12,000円、税金が安くなります。
確定拠出年金は若い人にお勧め?
ファイナンシャルプランナーが書いているいろいろな記事をみると、
- NISAは万人におすすめ。
- つみたてNISAは若い人におすすめ。
- 確定拠出年金は若い人におすすめ。
といったような論調が多いような印象を受けます。
私は、1と2はその通りだと思いますが、3は、必ずしもそうだとは思いません。
それはなぜか。
確定拠出年金は、拠出したら60歳まで引き出せないからです。
(NISAは、節税効果を無視すれば、いつでも口座から引き出すことができます)
若いうちは、金融資産の総額が少なくこれから資産を作らなければならない一方で、住宅・教育・介護・老後資金など将来必要となるお金が多く、しかも不確定です。数十年先のために資金を固定しすぎてしまうのは考え物。
若い人が確定拠出年金を始めるのなら、余裕のある中から、少額で行うべきと考えます。あくまで、「資産形成方法の1つ」として。
では、自分の子どもに勧めるかどうか?
私ならどうするでしょうね……。1ヵ月5000円として、25歳から35年払うなら210万円。金額は大きいとも大きくないとも言えますが、35年続けることになるというのがやはりひっかかる。(拠出を停止することはできますが)
少なくとも20代なら、NISAやつみたてNISAで少額のインデックス投信に慣れつつ、まずは自分に投資しろ、あとはそれからだと言うと思います。
中高年の確定拠出年金。
一方、50代など中高年の場合、確定拠出年金は
- 運用期間が短い。
- 拠出期間が10年に満たない場合は60歳を過ぎないと受け取れない。
ことから、お勧めされていないことが多いように思います。
しかし、冒頭のような節税効果を考えると、方法によっては活用しない手はないんじゃないか? というのが私の考えです。
どのような方法かというと。
金融資産が十分にある中高年なら、金融資産の一部を確定拠出年金に振り向ければいいんです。
ある程度の年代になっていれば、若いうちと違って資金需要もある程度見通せるもの。
一方、確定拠出年金の拠出期間も短い。
例えば、いま50歳なら拠出期間は10年間です。
1ヵ月3万、年間36万なら拠出額は総額360万円。
360万円で10年満期、利率10%の金融商品を買うつもりになればいい。
(もちろん、投資商品の価格変動や口座管理手数料などはありますが)
余裕資金があるなら、その一部をこのような考え方で確定拠出年金に振り向ければ、節税効果=高い利回りを得ることができます。
私は以前から投資信託を持っているので、毎月その一部を売却して同額を確定拠出年金に拠出し、インデックス投資信託を積み立てています。
(確定拠出年金の運用先として「元本保証」 がウリの定期預金を選んでしまうと、口座管理費用などでマイナスになってしまい、節税効果でトクになるだけになってしまいます)