自分で料理をすることのメリットの1つは、食べたいものを作って食べられること。
先月末から、なぜかおいなりさんが食べたくなりました。
それも手作りの、です。
思い立ったが吉日。やる気があるうちに、作ってみることにしました。
おいなりさんの作り方。
参考にしたのは、いつもの土井善晴先生のレシピ。
「土井先生」、「NHKきょうの料理」、……ハズレるはずがない、鉄板の組み合わせです。
詳細は上記リンク先を見ていただくとして、概要は。
- ごはんを、すし酢分を差し引くため普段の1割引の水加減で固めに炊き、炊けたらすし酢を合わせて冷ます。
- 油揚げは、しばらく茹でて油抜き。
- 油抜きしてからだし汁と砂糖、醬油で煮る。煮えたら開いておく。
- すし飯を個数分に丸める。
- それを油揚げに詰めたら出来上がり。
こんな感じです。
関西風おいなりさんは正方形の油揚げを対角線に切った三角形、関東風は長方形の油揚げを半分に切ったたわら形です。
関西風は炊き込みご飯(具入りのすし飯?)を詰めるのかと思っていましたが、そうでもないんですね。
作ってみました。
長方形の油揚げを茹でて油抜きをしてから、半分に切って、砂糖と醬油で煮ました。
レシピの分量は24個分。作ったことがないので感覚がわかりませんから、レシピ通りに24個分作ってみることにしました。このために買っておいた油揚げ12枚を半分に切って24枚です。
けっこうな分量です。少ない煮汁に浸るようにフライパンで落としぶた(別の鍋の蓋)をして、ときどき上下を返しながら煮ました。
味がしみて適度に煮詰まったところで、先にぜんぶ袋状に開いておくことにしたんですが、そこでちょっと誤算が。
煮えたばかりなので熱い!冷めるまで作業ができない!あたりまえですね…。
おいなりさんにする油揚げは、かえって安物の方が開きやすくていいと聞いたことがあります。なので、今回は業務スーパーの5枚58円+税の油揚げを安心して使用。
「油揚げの上で菜箸をころころ転がしてから開く」という方法も見たことがありますが、そんなことをしなくても簡単にはがれて袋状になりました。
開いた油揚げを綺麗に平らに並べておいて、つぎはすし飯です。
小さいたわら状に握っていくんですが、これがどうもうまくいかない。
手をごはんつぶだらけにして、ようやくなんとかしました。
あとは、開いた袋にたわら形ご飯を入れていくだけです。
完成。
こうなりました。
この日はおいなりさんに全精力を傾けたので、あとは豆腐のすまし汁のみ。おいなりさんが、ごはん兼おかずです。これでいいんです、おいなりさんが食べたかったんだから。
味の具合もちょうどよく、がんばって初めて作った甲斐がありました。
ただし、2合ちょっとのすし飯で作ったおいなりさん24個は、さすがに3人では食べきれませんでしたけどね。残りは翌朝食べました。
それと、入りきらずに残ったすし飯は私が全部食べたんですが、そのせいかどうか、寝るまでの間やたらと喉が渇きました。和食はどうしても塩分が多くなりがちなんですよね。
おいなりさんの思い出。
最近は、おいなりさんというと、せいぜい、何かのときに買ってきたパックの助六寿司に入っているものを食べるぐらいしかありません。
でも、私が子供のころは、おいなりさんはごちそうの1つ。パーティーメニューでした。誕生日や家族での行楽、幼稚園・小学校の運動会のときなどには母が手作りしてくれたものです。
ウチの子が大きくなったとき、そんな風に思い出してくれる手作りの料理は何かあるんだろうか。
50年以上前の誕生祝いの食卓です。
こんな昔の写真が残っているのも、父が写真を紙のアルバムに整理しておいてくれたからだと思います。