今朝はこんなニュースが。
安倍首相の期待に応えて、経団連がベースアップ(ベア)と定期昇給(定昇)を合わせて3%の賃上げを加盟企業に呼びかける、という内容です。
ここで要注意なのが、ベースアップと定期昇給の違いです。
定期昇給とは。
会社によって給与体系はさまざまですが、大企業では、多くの場合「賃金表」というものが決められています。
例えば、年齢給(=年齢によって決まる給料)の場合、
30歳 | 136000 |
31歳 | 138000 |
32歳 | 140000 |
のような表。年齢に対応する部分の給与が決められています。
職能給(○等級○号、というようなランクで決まる給料)の場合、
1等級 | 2等級 | |
1号 | 29000 | 37000 |
2号 | 29500 | 37600 |
3号 | 30000 | 38200 |
4号 | 30500 | 38800 |
のような表です。同じ等級の中の○号という段階は毎年1つずつ上がっていきます。
例えば、今年30歳で2等級1号の給与だったAさんは、今年の給与は136,000+37,000=173,000円。
それが来年度になると、31歳で2等級2号となりますから、給与は138,000+37,600=175,600円。
というように給与の主な部分が決まっている会社は多いのではないでしょうか。
増えた分の2600円が、定期昇給。「賃上げ」が行われなくても、毎年自動的に増える給与です。
ベースアップとは。
ベースアップ(ベア)とは、この賃金表そのものを書き換えることです。
具体的には、例えば上記の年齢給の賃金表を
30歳 | 137000 |
31歳 | 139000 |
32歳 | 141000 |
に変更したり、職能給の賃金表を
1等級 | 2等級 | |
1号 | 29200 | 37200 |
2号 | 29700 | 37800 |
3号 | 30200 | 38400 |
4号 | 30700 | 39000 |
に変更することです。
このようなベアが行われると、Aさんの来年度の給与(31歳、2等級2号)は、139,000+37,800=176,800円。今年度の173,000円と比較すると、3,800円増えることになります。
従って、定期昇給込みの賃上げ率は、3800÷173000=約2.2% ということになります。
実際には、特定の条件での給与(モデル賃金)について、賃上げを何%にするかを会社側と組合側で交渉することになるのだと思います(このあたりはよくわかりません…)
興味のある方は、お勤め先の給与体系を調べてみると、いろいろわかることも多いと思いますよ。