前回に続き、マニアックな話です。
『おりがみ3』笠原邦彦編、有紀書房
発行年は、カバーに「昭四九刊」とあります。
子ども向けの易しい折り紙の本ですが、後半1/4が千羽鶴折形のページになっています。
「江戸時代後期の寛政九年(1797年)に表された(原文ママ)「千羽鶴折形」という本があります。これは当時においてもすでに周知のものであった「折鶴」を、さまざまな連続形につなぎ折りするための用紙の形と、そのでき上り図を、49種紹介したもので、」
とあります。
折り鶴を1000個、糸を通して房状につなぎあわせた一般的な千羽鶴とは違い、ここでいう「千羽鶴」は、紙に切り込みを入れて、複数の鶴を「つながまったまま」折るものです。
私がむかし折ったものが残っていましたので、実物を。
「餌拾」。図の○印がくちばしにする部分です。この図のように、一部をつなげたまま鶴を折るわけです。このように1ヵ所ならまだ簡単。
「布晒」。くちばしと尾で7羽をつなげた形。だんだん難しくなってきます。
「稲妻」。隣接して2ヵ所つながっているので結構難しい。しかも、真ん中の鶴は4つの頂点が全部つながっています。
「青海波」。もうぐちゃぐちゃです笑。しっぽとくちばしをあちこち間違えているし。
これは普通サイズの折り紙で折ったものなので、こんなことになってしまいました。
もっと大きな折り紙なら、もう少しマシになるかもしれません。
前回紹介した「斯哉等草」(かやらぐさ)とは違い、千羽鶴折形については今もいろいろな本が出版されているようです。興味のある方は、ぜひ挑戦してみてください。