PTA会長をはじめ役員をしりごみする理由の一つが,「人前でしゃべれないから」らしい。そんな話を耳にしたことがあります。
実は私,どういうわけか人前で話すことは苦になりません。
保育園の保護者会長を8年間,小学校のPTA会長を4年間,それに中学校でもちょっとした役をやったおかげで,行事のあいさつを数え切れないほどやってきました。
会長って,保護者会やPTAの「あいさつ係」のことじゃないかと思ったほどです。
そんな私なので,全国で毎年3万人以上と思われる小中学校のPTA会長さんのうち,あいさつが苦手だというごく一部の方の参考になるかもしれないと考え,私の経験について書いてみることにします。
入学式・卒業式のあいさつ・祝辞は、原稿を読めばOK。
学校でいちばん大きな行事と言えば,やはり入学式と卒業式でしょう。
体育館や講堂の高い所からのあいさつ。緊張するかもしれません。
でも,楽な面もあるんです。
というのは,入学式や卒業式の祝辞は原稿を読むのが普通だからです。
(次は何を言うんだっけ……)(あっ,あれを言うのを忘れた…)(間違えた
…)などと,話している最中にあわてずに済みます。
原稿さえしっかり作ってあれば,それを読み上げるだけでいいんですから。
(それに対して,運動会では原稿ナシが普通です)
過去の原稿を手に入れる。
ですから,原稿を作りましょう。
もちろん,ゼロから書く必要はありません。
学校には,過去の挨拶文が保存してあるんです。
ですから,教頭/副校長先生や教務主任の先生に尋ねて,以前のものをいくつか借りましょう。それをコピーさせてもらい,それをタタキ台にしてアレンジすればいいんです。
「自分がどういう立場で,誰に対して話すか?」の確認。
入学式や卒業式に限らず,行事や会議のあいさつを考えるにあたってまず大切なのは,
「自分がその場でどういう立場にあり,誰に対して話すのか」
をはっきりさせることです。
「PTA会長なんだから,そんなのわかりきっているだろう?」
そうでしょうか。
PTA会長は,自分が所属する学校の入学式・卒業式に「来賓」として招かれます。
でも,他の来賓(地元議員,地域各種団体の方々など)とは立場が違います。
それはなぜか? 自分自身が,在籍児童・生徒の保護者だからです。
ですから来賓であって来賓(お客様)でない,学校側ではないが一般の来賓に対しては「学校と同じ側」にいる,保護者なのに一般の保護者とはちょっと違う,というような微妙な立場にあります。
- 他のご来賓に対しては,PTA代表・保護者代表として。
- 教職員に対しては,(PTAは本来,教職員と保護者で構成される組織ですが),保護者代表として。
- 児童生徒に対しては,保護者代表として,また一人の保護者として。
- 出席している保護者に対しては,PTAという組織の代表として。
こんな立場を意識して話さなければなりません。
そう考えると,言うべき要素・言わなければならない要素が決まってきます。
過去の例を参考に全体の構成を考え,「言わなければならない要素」と「言いたい要素」を組み合わせれば,あいさつの内容は決まります。
もう少し具体的な内容は,次の機会に書こうと思います。
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