先日はこんな記事が。
プロのクリエイターと、クラウドソーシングに代表されるような膨大なアマチュアの差は何か。プロの仕事はアマチュアに食われていくのか。
スナップマートのことはよく知らないんですが、記事中にある素人の写真群は確かに凄い。
そんな状況で、プロの仕事は危機に直面するのか。この点について、上記の記事では
「というのも、広告クリエイティブなどで顧客からの依頼がある案件(クライアントワーク)の場合、顧客からの要望に応えられる確約がある人以外に「仕事として」何かをお願いすることはなかなか難しいからだ。
これは、決して素人がいい加減だと言っているわけではなく、単純に生活がかかっている人とそうでない人では、頼まれごとに対するコミット度合いが違って当然だという話にすぎない。プロであれば、たとえインフルエンザにかかっていてもなんとか期日に間に合わせてくれる人の方が多数派だと思うが、素人に同じ動きを期待するのは難しい。
この「何かアクシデントがあったときの安心材料」という付加価値は、中間業者にとっては極めて重要であり、ここに対するニーズは絶対になくなりはしない。だから仮にプロと素人のスキル差がゼロになったとしても、本来プロがやるべき仕事はなくならないと思っている。」
と述べられています。
つまり、「仕事として絶対やります」というプロ、「絶対に成果が上がってくる」と安心できるプロの仕事はなくならない、と。
確かにそういう面はあると思います。
私自身、スキルをもつ大量の予備軍がいる業界にいます。クラウドソーシングでアマチュアもどんどん参入している。
そんな中で仕事として成り立つ理由の1つは、「仕事としてやる」というプロとしての心構えがあるからだと考えてきました。
でもそれは、方向性を間違えると「何でもやります、いつでも対応します、絶対に仕上げます」という、無制限のサービス競争、労働力のダンピングにつながりかねないんじゃないだろうか。
先日のNHKスペシャル「私たちのこれから Our Future #長時間労働」の中で、中小企業経営者が「多少無理な対応をしておくと、ヒマな時期に仕事を回してもらえるんです」とコメントしたのに対して、リクルートワークス研究所の石原直子さんが
「労働者に無理な対応をさせてニーズに応えることが、会社が提供する価値、強みなんですか?」
という主旨の指摘をしていました。
フリーランスは自分自身が経営者。経営方針を自分で立て、強みをどこに置くかを考えなければなりません。
それが、むやみやたらな「対応力」だけであっていいはずはありません。