今は全く酒を飲まない毎日ですが、以前はときどき気晴らしに飲みに出かけることがありました。飲み友だちもいないので、そういうときはいつも1人です。
ときどき行っていた小さなバーがありました。
いくつかの店を転々としていたマスターが1人で始めた、10人も入れば一杯になってしまいそうな店。いろいろな酒が安く飲めました。
Photo by 写真素材 足成
地方都市ですから客は多くありません。そもそも、酒飲み人口自体が減少しています。
でもその店は固定客が多く、毎日のように通う人もいたようでした。
そんなとき、マスターが「一番来てくれたお客さんランキング」みたいなことを始めたんです。
ランキングを店に張り出したりブログに書いたり。
そんな「常連さん第一」の雰囲気が露骨に感じられてきたころ、私はその店に行かなくなってしまいました。
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小さな飲食店を長く続けていくのは大変なことでしょう。
常連さんがついてくれれば、お店としては売上が安定し、経営上は大助かり。
何より、通ってくれる気持ちは嬉しいものだと思います。
その気持ちは、よくわかる。
まして1人で切り盛りする店は、オーナーであるマスターの「城」。
自分がやりたいようにしたって、別にとがめられるいわれはありません。
自分が、客として行くかどうかを選べばいいだけです。
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翻って、零細フリーランスの自分は。
席が1つだけの小さなバーをやっているようなものです。
お客さんが1人来れば満席。
常連さんが通ってくれれば本当に有難い。
常連さんが来なくなったら死活問題。そんな綱渡りです。
今朝のNHK「おはよう日本」で、残業ゼロ、有休取得100%を達成した地方の中小建設資材リース会社が取り上げられていました。
ポイントは3つ。
- トップダウン、社長の方針で行われた。
- 顧客の無理な要求は断ることにした。
- 大口顧客に依存するのではなく小口の取引先を増やした。
どれも、もっともな内容です。
その結果、求人に対する応募は100倍にもなったとか。
あたりまえのことではありますが、いろいろ考えさせられます。
「1日1人限定の、予約が取れない繁盛店」を目指すしか道はないのでしょう。