NHK Eテレ「オイコノミア」 。
2016年12月7日の放送は「ウマい話にだまされない経済学」でした。
出演はいつもの又吉直樹さんと、慶応義塾大学教授中島隆信さん、ゲストはカンニング竹山さん。カンニング竹山さんは、振り込め詐欺を減らすため本を執筆したり、政府広報オンラインの映像に出演したりして活動中とか。
今回はドラマ仕立てのコーナーが。
だましのテクニック1:3日も続けて円相場の上下を当てる?
携帯に突然電話。又吉さんが取ると
「絶対儲かる話があるんですよ。特別に又吉さんだけにお教えします。100万円預けてもらえませんか?」
「そんな話あるわけないでしょう」
「明日は絶対円高になりますよ。わかるんです」……
翌朝。実際に円高に。そしてまた電話。
「どうです、当たったでしょう?」
「適当に言ってるだけなんでしょう」
「まだ信じませんか? 明日も円高になりますよ」……
翌朝。また実際に円高に。そしてまた電話。
「まだ信じませんか?」
「そうやって言っていればたまたま当たるんでしょう」
「違いますよ。相場が操作されてるんです。特別な情報があるんですよ。明日は円安になりますから」
翌朝。言う通りにこんどは円安に。
……信じたくなってきた?
タネあかし。
何十人もの相手の半数に「明日は円高」、半数に「明日は円安」と電話をかける。
翌日、当たった方の人だけに、その半数に「明日は円高」、半数に「明日は円安」と電話をかける(外れた方の人には何もしない)。
2回目も当たった方の人だけに、半数に「明日は円高」、半数に「明日は円安」と電話をかける。
そうやっておけば、一部の人には3回連続で当てたことになる(3回連続で当たった人しか残らない)。でも、電話がかかってきた本人には、はずれた人間がたくさんいることがわからない。
そもそも
いい情報をタダでくれるはずがない。
経済的合理性の観点ではそんなはずはない。
だましのテクニック2:彼女に言われるまま資金援助したら?
彼女から別れを切り出された又吉さん。
聞けば、実家の会社が倒産し母は倒れ、借金が700万あるとのこと。
援助してやったら……彼女は音信不通に。
ダマされるかもしれない理由。
「情報の非対称性」
市場において売り手と書いての持っている情報に差があること。
詐欺は「相手が知らない」ことが前提。
彼女の実家の状況をちゃんと調べていれば違ったかも。
「損失回避行動」
人間は何かを手に入れる喜びよりも何かを失う苦痛を大きく感じるため、なるべく失うことを避けようとする。
「保有効果」
人間が保有しているものの価値を高く見積もること。
彼女を失いたくないという気持ちが影響。
「サンクコスト(埋没費用)」
すでにつぎ込んでしまい回収できないコストのこと。
いままで彼女にかけた費用を無にできない。「損切りできない」→冷静に判断できない。
詐欺は心理的効果をうまく利用している。
食品偽装の例。
いいものが正当に評価され正当な価格で取引され、買った側が満足するのが本来だが、情報の非対称性によって「いいもの」が評価されず市場から消えていく(逆淘汰される)のが「市場の失敗」。
対策:
- 消費者が賢くなる
- いっそ「こだわらない」のも知恵の一つでは。
- だましても得にならないようにする。
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最近の詐欺は2段構え、3段構えで周到に仕掛けられるらしいですが、そんなことをされたらひっかかってしまいそう。
「自分は大丈夫」と思っていたらダメですね。
振り込め詐欺の電話は、身近にもかかってきた例が2つほどあります。
番組最後の「食品偽装」の部分はイマイチよくわからない感じでしたが、一体「価値」って何だろうということになりそう。作り手側が「これだけ価値があるだろう」と思っても自分にとって価値がないことだってあるわけだし……。
再放送は12月9日(金)(12月8日(木)深夜)午前0:30からです。
来週は「笑って納得!落語の経済学」だそうです。一体どんな内容になるんだろう?
※梅原大吾さん出演の回が、2017年1月4日午後10:00~と1月6日午前0:30~に再放送されるようです。
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