先日はこんな記事が。
将来は不透明になっていくばかりです。
でも、そんな不透明さを、なにもせずそのままにしておいていいんでしょうか。
試しに、お金の面から自分や家族の将来について考えてみるのもいいかもしれません。
精度はいったん脇に置いておきましょう(正確に予測しようとしても、そんなの不可能ですから)。
そこで登場するのが、家計のキャッシュフロー表。
収入や支出からシミュレーションすることによって、貯蓄(資産)残高がどう変わっていくかがわかります。
詳しく作ることももちろんできますが、「面倒だからやらない」になってしまっては意味がありません。まずはえいっと簡単に作ってみましょう。
私が作っている表はこんな感じ。
一番左の列に「年」。今年なら2016年(ここでは2010年になっています)。
そこから右に、自分、妻、長男、長女、次男の列を作り、縦が毎年の年齢になるようにしました。
その右に、手取り年収。変動しますから、ざっくり百万単位、十万単位でいいでしょう。退職後は年金ですが……とりあえず「ねんきん定期便」を見て、現時点での予想額を入れておきましょう。支給開始年齢は…70歳ぐらいにしておいた方がいいと思います。
その右に、年間生活費。詳しく調べようとすると挫折しますし、あとからいくらでも変更できるので、えいっと金額を入れちゃいます。
「その他支出」として、臨時の支出の列も作りました。
「家の修繕」の列は、数年おきに大規模修繕(外壁塗装など)が入ることを予想した欄です。
「学費」は、学校関係・塾や通信教育の費用、それに大学入学後の学費と仕送り額。「教育費」で検索すればいろいろなデータが出てきますから、参考になります。
「車」には、車を買い換える年に購入費用を入れます。
その他、各家庭の事情に応じて、例えば住宅ローンなど大きな費目がある場合はその列を作るといいでしょう。
「手取り年収」からその右の列を差し引いた残りが「貯蓄額」。
それを前年までの残高に加えた額が「各運用利回りでの累積残高」の「年0%」のところに入るようにします。
こんな表を作って、えいっと自分が90歳になるまで計算してみましょう。
どうなりましたか?
十分余裕があるのならいいんですが、大変なことになりませんでしたか??
あまりはっきり意識していなかった未来を、数字としてつきつけられてしまったかもしれません。
一部の数字を変えると全体がどうなるか、表計算ソフトですから簡単にやってみることができます。
このシミュレーションをやってみることで、家計について、そして家族の将来について考えるきっかけになるのではないでしょうか。
このキャッシュフロー表、いくつか問題が。
でもこのキャッシュフロー表、いくつか問題があります。
予測が雑だと。
少なくとも私が自分でやった予測は、本当にいいかげんです。最初にやったのは今から10年以上前ですが、当時「2016年はこうなっている」と予測した状態からはすごくズレています。
予測が雑すぎると、
- 厳しく予測しすぎて、節約しすぎる → 人生を楽しめないかも?
- 楽観的予測をしすぎて、後で厳しくなる
なんていう弊害が予想されます。
将来は不確実。
話は冒頭に戻りますが、これから世の中はますます不確実になっていきます。サラリーマンとして定年までその会社に居続けたとしても、年収がどう変化していくかはわかりません。ましてリストラに遭ったり、転職したりしたら?
自営業・フリーランスだと一層予測しにくい。
自営業・フリーランスは売上が一定しません。なので、将来予測にどれほど意味があるか?という問題もあります。そもそも、同じ業種をずっと続けるかどうかさえわかりません。
ただし、「毎年○○○万円稼がないと将来厳しい」みたいな動機付けにはなるかも。
そもそも、予想通りの人生でいいのか?
この表は、「今後の人生を、計画した通りに死ぬまで生きていく」ことを前提にしています。
では、そういう生き方でいいのか?
自分で自分のレールを決めて、何十年もそこをただそのまま進んでいけばいいのか?
という、根本的な人生観の問題があります。
ひとつのタタキ台として、考える材料にしてみてください。