フリーランス兼業主夫日記

フリーランス、プラスなりゆきで兼業主夫的生活になって25年超え。生活や子育ての中でブログネタを探しています。記事の内容はその時点の思いつき。現在は考え方が違っているかもしれません。

そういえば,新海誠監督の映画『秒速5センチメートル』の主人公も、会社を辞めてフリーランスになったんだった。

(最後に追記。2016.9.1)

今月末から,新海誠監督の新作が始まりますね。

www.kiminona.com

前作の「言の葉の庭」は見なかったんですが,今回は見に行こうと思います。

その前の「星を追う子ども」は,正直イマイチだったかな…。

※「星を追う子ども」を見る方は,宮崎駿の『シュナの旅』も読んでみてはと思います。

 

さらにその前の「秒速5センチメートル」は,劇場で2回見ちゃいました。

DVDも買っちゃったし監督がノベライズした小説や画集も買っちゃったし。

秒速5センチメートル [Blu-ray]

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 (古いアニメですが、ネタバレあり)

 

それまでは,この監督のことも知らなかったし,そもそもアニメにも特に興味はありませんでした。年代的にはオタク第1世代ぐらいですけどね。

それがたまたま,当時Yahooトップページで流れていたプロモーション映像にくぎづけになってしまったんです。

とんでもなく綺麗だったので。

私は昔々のセル画のアニメしか知らなかった古い人間です。この監督が描く,現実を下敷きにした風景の美しさに,本当にびっくりしました。

 

3話の短編で構成されており,主人公のタカキは3話を通じてモテまくっているわけですが、そんなことは全くなかった私でさえも、忘れていたような黒歴史や古傷の数々をグサグサと突き刺され,ほじくり返されるような痛々しい快感を感じてしまいました笑。

 

(追記)と思ったら、小田嶋さんがそんな気持ちをぴったり代弁してくれています。

business.nikkeibp.co.jp「優れた映画は、脚本に書かれている本筋のストーリーとは別に、観客の脳内に眠っている物語を再稼働させることができる。

 そして、あるタイプの観客の心情を最も深い部分で揺さぶるのは、実は、映画の中の主人公が演じているドラマではなくて、映画の中に仕掛けられたフックに触発される形で観客自身の心の中によみがえる私的な物語の記憶だったりする。」

 

こじつけですが,このブログ的には,主人公が会社員生活に疲れ果てて/嫌気がさして会社を辞め,フリーランスのソフト開発?かなにかを始めるまでを描いた第3話ですね。会社をやめた当時の自分にちょっとだけ重ねてみたりもしました。

会社をやめて気分も晴れ晴れなのはともかくとして,桜が舞い散る踏切で昔の彼女とすれ違ったりすることは……私の場合はもちろんありませんでしたが。

 

まあ、

  • つながっている一つの話のように見える3つの短編、元々は独立したストーリーとして考えられていたんだとか、
  • 桜がソメイヨシノならもうちょっとピンク色が薄いだろとか、
  • さすがに納屋で夜明かししちゃまずいだろとか、
  • SEは当時そんな巨大なディスプレイ使ってないんじゃないのかとか、
  • 秒速5センチというのは実は秒速50cmの間違いじゃないのかとか(元ネタはさだまさしらしい),

いろいろ言いたいことはありますが,個人的にはずいぶんハマりました。

監督自身がノベライズした小説には,映画にはない部分のストーリーが書き込まれています。

ノベライズ版を読む方には、合わせて村上春樹の『国境の南、太陽の西』も読むことをお勧めします。

国境の南、太陽の西 (講談社文庫)

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(2016.9.1追記。ネタバレあり)

で、「君の名は。」見てきました。

まあ、誰でも安心して見ていられる内容だったんじゃないでしょうか。

三葉かわいいし。奥寺先輩はケバいけど。おばあちゃんは、サマーウォーズのおばあちゃんにちょっと似てた。

「彗星の軌道がありえない」なんていう指摘もネットでされていますが、そもそも設定自体、現実にはありえないわけですからね…。

※でも,彗星と,流星・隕石・火球がごっちゃになってるような気がしてしょうがない…

オープニングからエンディングまで、「秒速」を思い出させるシーン、ディテールがてんこ盛りな感じでした。それにしても、今回はすれ違うだけじゃなくてちゃんと声をかけるまで出来てよかった。でもたぶん、三葉の方が3歳年上だよね?

この映画が気に入った人は、ぜひ「秒速5センチメートル」も見てください。

監督、10年前から同じことを描きたかったんですよ…。

 

そうだ、今思い出した。

「秒速」も「君の名は。」も、そもそも村上春樹の『4月のある晴れた日に100パーセントの女の子に出会うことについて』(『カンガルー日和』収載)かもしれない。

 この短編もぜひ読んでみてください。

カンガルー日和 (講談社文庫)

カンガルー日和 (講談社文庫)

 

それにしても、10年前は誰も観客がいない地方の映画館で見たのに、今回はNHKのニュースで監督が取り上げられるわ、シネコンで上映されるわ、客席も結構はいってるわで…隔世の感。