末っ子の息子は高校2年生で、多感な時期です。
とても神経質なところがあるので、家にいるときには自分の部屋にこもりっきり。私や妻がドアを開けると、部屋を覗こうとするだけで嫌がります。
(とは言っても、完全に入れてもらえないわけではありません。用事があるときには断って入れば大丈夫だし、本人がいないときに私が洗濯物を置きにいくなどで部屋に入っても、別に問題はありません。)
そんな末っ子と私の間で、暗黙の了解でなんとなく出来上がっているルールがあります。というかお約束というか、毎日のお遊びというか。
夕方、2階からタオルなどの洗濯物を持って1階に降りるときに、一緒にパジャマ類も持って降りるんですが、その通りがかりに、洗濯物のカゴを、末っ子の部屋の閉まったドアの前にトンと置くんです。
そうすると、閉まっていたドアがすぐにすーっと開いて、末っ子のパジャマがカゴにどさっと投げ込まれ、そしてまたすーっと閉まる。
これだけのことです。
でも、毎回のこんなささやかなやりとりが、私は楽しくて仕方ありません。
天の岩戸にこもった天照大神を、外でどんちゃん騒ぎをしアメノウズメに踊らせて外におびき出したという日本神話の逸話がありますが、それよりはむしろ、おもちゃの電動貯金箱に似てるかな?
硬貨を決まった位置に載せると、ぎーっと蓋が開いて手が出て、硬貨を中に引き落としてまた引っ込んでいく。そんな貯金箱ありますよね? それにそっくりです。
ドアを開けて、息子がニヤニヤ・ニコニコしながら無言でパジャマをどさっと投げ込む様子がまた嬉しい。子どももこの "お約束" を楽しんでくれていることが伝わってきます。
残りあとちょうど1年。
こんな暗黙の了解でのお遊びをせいぜい楽しんでおこうと思います。