フリーランス兼業主夫日記

フリーランス、プラスなりゆきで兼業主夫的生活になって25年超え。生活や子育ての中でブログネタを探しています。記事の内容はその時点の思いつき。現在は考え方が違っているかもしれません。

長編古典文学。読み切れないなら子供用ダイジェスト版という手も。というわけで『モンテ・クリスト伯』。

 

今朝の新聞の書評に『モンテ・クリスト伯』が載っていました。 

モンテ・クリスト伯(全7冊セット) (岩波文庫)

モンテ・クリスト伯(全7冊セット) (岩波文庫)

 

 

「巌窟王」としても知られている物語です。

ナポレオン失脚後のフランス。若き船乗りエドモン・ダンテスが、美しい許嫁の待つマルセイユに帰港したときから物語が始まります。幸せの絶頂にあった好青年が謀略によって捕らえられ、孤島の牢獄に。14年もの歳月にわたり囚われの身で過ごしたエドモンが、孤独な司祭から莫大な財宝を受け継いで牢獄を脱出し、モンテ・クリスト伯爵となって、敵に復讐を、そして恩人に恩返しを、そして許嫁に再会を……という物語です。

 

しかし、タイトルもあらすじもなんとなく知ってはいても、これだけの長編はなかなか読もうという気になりにくいもの。

 

そんなとき、大人でも子供向けダイジェスト版を読むという手があります。

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岩波少年文庫版なら、上・中・下の3分冊。子供向けで文字も大きいので、簡単に読めます。

ダイジェスト版だけあって、ストーリーに若干飛躍が感じられる箇所もありますが、仕方ないでしょう。「長編過ぎて読まない」と「ダイジェスト版で我慢する」の2択なら、ダイジェスト版を読む方がよほどいい。

 

もちろん、子供たちにもおすすめ。

 

舞台となっている19世紀初めのフランス(フランスの新聞に連載されたのも19世紀半ば)の、現代とは違う社会の様子が、新鮮に思えるかもしれません。

知識と知恵と財力を存分に駆使して敵に復讐をしていく爽快感。でもただの薄っぺらい「復讐の鬼」というわけではありません。苦難を乗り越えたエドモンの「深さ」のようなものを感じてもらえるかな。

 

古典文学を「読める時期」。

 

こういった「誰でも名前だけは知っている古典文学」には、「読める時期」があると思っています。大人になってしまうと、よほどの動機付けがないと「何を今さら」と読めなくなってしまうと思うんです。

※ゲーテの『若きウェルテルの悩み』など、いい年になってしまうとこっぱずかしくて絶対に読めません。こじらせた中高生男子なら……でもやっぱり無理か…。

 

本好きの子でないと難しいかもしれませんが、できればこういった古典は遅くとも中学・高校ぐらいまでに読んでほしい。

そういう点では、この『モンテ・クリスト伯』は、堅苦しくて地味な「文学」ではない波瀾万丈の冒険譚、エンタテインメントでもあるので、とっつきやすいと思います。

 

モンテ・クリスト伯 (上) (岩波少年文庫 (503))

モンテ・クリスト伯 (上) (岩波少年文庫 (503))

 

 

ところで、物語の中で「東洋の~」「オリエンタルな~」という形容詞で描かれるのは、当時オスマン帝国の支配下にあったギリシャでのこと。日本人の感覚でいう「東洋」では全然ありません。時代を感じます。