先日、こんな記事を書きました。
この記事に対して、micatanさん(id:micata-artproject)さんから「さらにわかりにくいのがコミュニティ・スクールで」というブコメをいただきました。
※細々と書き散らかしているブログですので、ブコメをつけていただけるのはすごく嬉しいです!もちろんスターも!
なので、今回はコミュニティ・スクールについて簡単に調べたことを、私の知識も含めてまとめてみます。
「コミュニティ・スクール」とは何か。
参考にしたのはこのページ。
その中の「コミュニティ・スクールパンフレット2017」に、
「コミュニティ・スクール=学校運営協議会制度を導入した学校」
との記述があります。
またその下に、「コミュニティ・スクールの3つの機能」として
- 校長が作成する学校運営の基本方針を承認する
- 学校運営について、教育委員会又は校長に意見を述べることができる
- 教職員の任用に関して、教育委員会規則に定める事項について、教育委員会に意見を述べることができる
が挙げられています。
「~する」「~できる」という表現ですが、これは学校運営協議会が果たすべき役割であり、学校運営協議会が上記の3つを行う学校のことをコミュニティ・スクールと呼ぶ、と解釈できるでしょう。
そして、平成29年3月の「地方教育行政の組織及び運営に関する法律」の一部改正により、学校運営委員会の設置が努力義務化されました。
ですから、今後全国の主に小中学校で、この学校運営協議会の設置が進められるものと思われます。
これまでの組織との関係は。
学校と地域が関係する組織は、これまでにもいろいろなものが設けられてきました。
文科省の資料
(2つに分かれていて見にくい…)
の「後半」2ページ目にあるように、類似の組織としては「学校関係者評価委員会」「学校評議員会」「学校支援地域本部」といったものがあります。これ以外にも、自治体・地域・学校独自に、学校と地域の連携をはかるさまざまな組織が設けられていることがあるでしょう。
どれも、学校を外部から評価したり学校と地域の連携を図ったりするための組織ですが、それぞれ法的根拠や権限・活動の範囲が異なるため、文科省としてはそれらを統合し、機能・権限を拡大した学校運営協議会に発展的に移行させたいように見えます。
結局、ひとことで言うと。
資料をざっと見た私の理解では、
文科省としては、
- いままでの「学校を評価するだけ」の組織を「学校に意見する組織」に発展させることにより、地域住民に学校運営にもっと積極的、主体的に参画してもらいたいと考えている。
- その「学校に意見する組織」が学校運営協議会。
- 学校支援地域本部(=地域コーディネーターが調整するボランティアの集まり)は、組織上・制度上の位置づけは別。
- 放課後子供教室も、組織上・制度上の位置づけは別。
- 学童保育は、完全に別(所管は厚生労働省)。
という関係だと思います。
ただし、学校支援地域本部を運営する地域コーディネーターや、放課後子供教室のコーディネーターは、おそらく学校運営協議会にも委員として参加することが求められるでしょう。
個人的感想。
この文科省の方針に基づき、各自治体の教育委員会が具体的にどのように推進するかを検討している最中でしょう。
そして山のような資料が作られ、各学校に降りてきます。
一方で、PTA会長にも別ルートで(自治体レベルのPTA連絡協議会などを通じて)周知が図られます。
数年間の移行期間が設けられ、例えば「当市では平成32年度までに全小中学校で学校運営協議会を設置する」なんていうように決まります。
その頃、校長からPTA会長に相談があるんです。
「ちょっと会長さん、いいですか。ご存じだと思いますが、こんど学校運営協議会というのを作ることになって…」
「ああ、聞いてます。またですかって感じですね。今の○○委員会と○○委員会を合わせて学校運営協議会にする感じですかね」
「そうなりますよね…。でも○○自治会の○○さんがそれでいいって言うかなあ。○○委員会はウチの学校独自に昔からやってきたものだから、名前を変えるとなると、よく説明しないといけませんね…」
……なんてやりとりを、私がPTA現役のころはよくしていました。またそれかあ。
そもそも、学校と地域の連携云々を言うのであれば、校長先生を2~3年で異動させるのはやめてほしい。それに、何でも「地域」に投げるのも。
コミュニティ・スクール(学校運営協議会制度):文部科学省より。「いらすとや」が文科省にも使われてる…