先日はこんなニュースがありました。
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万引きを繰り返して有罪となっていた男性が、実は認知症の一種である「前頭側頭型認知症」だった、というニュースです。
前頭側頭型認知症とは。
かつては「ピック病」とも呼ばれていましたが、ピック病に特徴的な所見(「ピック球」)がみられない場合もあり、現在はピック病は前頭側頭型認知症の一部と考えられているようです。
比較的若く発症することがあり、初期には物忘れは目立たず会話の理解力もあり、場所や日時の理解も維持されやすいということなので、発見されにくいのかもしれません。
ただ、刺激に対する反応や欲求を抑えられなくなり、反社会的行動となって表れることがあります。たとえば、目に入ったものにすぐ手を出してしまう。それが、万引きや痴漢行為につながります。
万引きの常習犯とされている高齢者の中に、前頭側頭型認知症の人が結構いるのではないでしょうか……。
認知症にはいろいろ種類がある。
認知症というと、なんとなくアルツハイマー病のことだ思っている方もいるかもしれません。
しかし、認知症の種類はさまざま。
- 脳内にアミロイドβやタウ蛋白の蓄積がみられるアルツハイマー病、
- 幻視やパーキンソン症状の症状がみられるレビ-小体型認知症、
- 脳血管疾患が原因となる脳血管性認知症、
- その他の原因(ビタミン欠乏、内分泌疾患、ウイルス感染、肝疾患、外傷など)による認知症
があります。根治療法がまだないものもありますが、「治る認知症」もあるんです。
(参考)
私の亡くなった父はレビ-小体型認知症でしたが、レビ-小体型に特徴的な幻視はみられず、歩行障害といったパーキンソン症状でしょっちゅう転倒していました。自律神経障害も目立ち、排泄や不整脈の問題が続いていました。
首都圏のベッドタウン暮らしでしたが、近所の総合病院で神経内科の予約がなかなか取れず困った記憶があります。
認知症に対する理解が進めばいいなと思います。
Photo by 写真素材 足成