もう3ヵ月経ちましたが、同じ年の子を持つ親として、本当に言葉になりません。
栃木県那須郡の那須岳(茶臼岳)そばで起きた雪崩事故による、高校登山部の生徒7人と引率教師1人の死亡事故です。
中間報告が発表され、さまざまな問題点が指摘されています。
現場での雪崩に対する認識不足、計画や装備の準備不足、7年前の経験が全く生かされていない、場当たり的、などなど。
私は、この事件の背景の1つに、中学・高校の部活動に関する根本的な問題があるのではないかと思っています。
今回、生徒とともに雪崩の犠牲になった若い先生は、登山の経験がほとんどなかったということです。それなのに、高度の知識と経験が必要とされ危険を伴うこのような訓練に、引率の1人として加わっていた。
これは、「経験・知識のない教師が部活動の顧問をせざるを得ない」という、現在の部活動一般の問題の表れではないでしょうか。
今回の事故の一因がこの若い先生にあると言いたいのでは、決してありません。そうせざるを得ない、部活動指導の現状が問題ではないかと思うのです。
先生方が数年ごとに異動する中、全ての部活動を知識と経験のある先生だけでカバーできるわけがありません。
いままでは、それが教職員の過重労働や、効果的でない指導といった側面から問題視されることが多かったように思います。
しかし今回は、それが安全上の重大な問題として、大きな事件になってしまいました。
部活動や学校行事で行われる内容には、全くの自由意思で参加する活動とは違った配慮が求められて当然だと思います。
中高生は、いろいろな理由で「無茶をする」し、「無茶をしたがる」もの。
今回の事故でも、生徒が上まで行きたがったという状況があったようでもあります。
それを安全面からどのように指導するか。
これを、登山部だけの問題としてとらえてほしくはありません。
命にかかわる問題は、ほかの様々な部活動でも問題になる可能性はあるはず。
水泳部はどうか? 雪国にはスキー部もあるのでは?
真夏の炎天下で行われる高校野球は?
密閉した体育館で行われるバドミントンは?
遠征時のバス移動の安全性は?
武道の必修化の過程で、柔道の安全性も問題になっていますし、プールでの飛び込み事故も問題になっています。
亡くなった生徒や先生は帰ってきません。
どうか、「ヒヤリ・ハット」の段階で事故を未然に防いでほしいと思います。
(2017.8.25追記)
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