フリーランス兼業主夫日記

フリーランス、プラスなりゆきで兼業主夫的生活になって25年超え。生活や子育ての中でブログネタを探しています。記事の内容はその時点の思いつき。現在は考え方が違っているかもしれません。

遠くのFMラジオ局の放送が聞こえるかもしれない,自然現象の話。電離層? スポラディックE層って?

 

気の向くまま好きなことを書いているブログです。

今日もまたマニアックなネタを。

 

先日,車で外出したときにカーステレオでFM放送を聞いていたんです。

いつも,ちょっと遠い地域の局の放送を聞いているんですが,その日はどうも電波の入りが悪い。

アンテナちゃんと伸ばしてるよな? と確かめてみても,ちゃんとアンテナは出ている。

 

それで昔の知識を思い出しました。

その日のような,初夏の日差しが強い好天の日。

こんな日には「Eスポ」が出るんだった。

 

「Eスポ」?

 

通称「Eスポ」(正式には「スポラディックE層」)は,電離層の1つです。

電離層 - Wikipedia

 

「電離層」? これも,聞いたこともない言葉かもしれません。

興味ない方には全くちんぷんかんぷんなお話でしょうね……。

 

地球の回りには,地表から高さ数十km~数百kmのところ(ちょうど国際宇宙ステーションが飛んでいるあたり)に,太陽の影響でできたイオンの層がいくつかあるんです。

それが電離層。 

 

地表に近い方から「D層」,「E層」,「F層」(F1層,F2層)と名付けられています。

これはイオンの層,つまり電気を帯びているので,電波に対して特有の性質を持っています。

 

  • D層:中波(いわゆる「AMラジオ放送」)を減衰させる。夜は消滅する。
  • E層:夜に中波を反射する(反射された電波は地表に戻る)。
  • F層:短波を反射する。

 

電波が上空の電離層で反射すると,地表→電離層→地表→電離層……とバウンドするように、電波が遠くまで伝わります。 

ところが,FMラジオやかつての地上アナログ放送の電波(超短波(VHF)と呼ばれる周波数帯)は,電離層で反射しません。突き抜けて宇宙に飛んでいってしまい,地表に戻ってこない。なので,遠くの放送局の放送は聞こえないんです。

 

ところが。

 

突発的に,普段はない電離層が出現して,VHF帯の電波を反射することがあります。

その電離層が「スポラディックE層」。

受信障害や混信の原因になります。

地上アナログ放送の頃は,テレビ画面に斜線が入るような受信障害が発生し,テロップで「ただいま受信障害が発生しています」などと表示されることもありました。

 

そんな受信障害や混信が発生する一方で,遠くのFM放送の電波がこのスポラディックE層で反射されて,普段は聞こえない遠くの地域で聞こえることがあります。

 

ですから,私もカーステレオの周波数を変えていろいろ探せば,普段聞こえない地域の放送が聞こえたかもしれません。やりませんでしたが…。

 

一方,マニアの方々の報告はたくさんありました。以下はその一部です

 

 

 

 

 冬の夜に試してみてください。

 

興味のある方にぜひやってみてほしいのは,冬の夜の中波(AMラジオ)です。

 

夜には,上記の通り中波がE層で反射されるので,遠くの放送が聞こえるようになります。ラジオの受信周波数を連続的に変えていくと,普段は何も聞こえない周波数で,いろいろな放送が聞こえるはず。

例えて言うなら,日中は閑散としていた繁華街が,夜になって急に賑やかになるように。

 

最近はラジオがない家も増えてきたかもしれませんが,車をお持ちならカーステレオがあるでしょう。プリセットされた「いつもの局」ではなく,周波数をいろいろ変えて試してみてください。番組の合間に流れるコマーシャルの内容で,放送局の地域がわかったりしますから。

 

遠くのラジオ局の放送を聞いて楽しむBCLという趣味が、けっこう盛んだった時代がありました。私も小学生のころよくやったものです。

 

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Photo by 写真素材 足成