フリーランス兼業主夫日記

フリーランス、プラスなりゆきで兼業主夫的生活になって25年超え。生活や子育ての中でブログネタを探しています。記事の内容はその時点の思いつき。現在は考え方が違っているかもしれません。

『折り紙学』(西川誠司著、今人舎)を読みました。

 

 なんとなく、衝動買いしました。

『折り紙学』(西川誠司著、今人舎、2,200円+税)。

 

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ほぼA4サイズの大判です。全63ページ、厚さ約1.3cm。

硬派な印象の表紙に反して、内容は小学校の図書室向け図鑑・入門書といった感じなのがちょっと予想外。漢字にもルビが振られています。

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「巻頭特集」では、現代の世界・日本の折り紙作家と作品が紹介されています。

用いられている技法・表現手法は作家によってさまざま。折り紙がここ数十年でさまざまな方向に進化・分化してきたことがわかります。

 

パート1の「折り紙の秘密」では、最初に折り紙の歴史を簡単に紹介。ここの部分、もっと詳しかったらよかったな……。日本の折り紙とは独立して、ヨーロッパでも折り紙が生まれていたのは知りませんでした。そちらは発展しなかったようだけれど。

正方形の紙からどうやって4つを超える頂点を作るかや、現代の折り紙でおそらく重要だと思われる「見当をつける」という考え方、それに展開図折りなどについて、もう少し詳しく書かれていればと思いました。

 

それに対して、パート2の「さあ折ってみよう」は……正直言って全く余計。「普通の折り紙の本」に載っているような、小学生向けの折り紙の折り方が説明されているだけです。その部分が、本書の全体の3分の1。なんでこの部分を設けたんだろうか……。

 

このパート2をカットし、パート1を前半と後半、あるいは「歴史」「数学」「表現」「科学」などに分けてページ数を増やし、もっと詳しく記述してほしかった。

パート2があるおかげで、本書の性格がぼやけてしまったような気がします。小学生向け入門書としても、そこまで総花的にする必要はなかった。

 

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以下は個人的に気になった点です。

 

折り紙の歴史に関する記述の中で、「かやら草」(「斯哉等草」)という古典に触れられていないのはなぜだろう?

江戸時代の折り紙の資料として重要ではないかと思っていたのですが、最近の研究ではそうでもないのかな? 

 

それと、1960年代から70年代にかけて折り紙の本を多数出版されていた笠原邦彦さんが、名前だけ3回も登場するにもかかわらず、ご本人の写真も作品も1つも掲載されていないのが残念。 当時出版された笠原さんの折り紙の本、今も手元に10冊以上残っています。

 

 

ところで、いまEテレで「オリガミの魔女と博士の四角い時間」という番組が放送されています。

www4.nhk.or.jp

 

サイトで紹介されている「ツル星人」でも、こんど折ってみようかな。

 

私の好みとしては、写実性を追求した「ペーパークラフト」のような作品や、「紙をまるめてひねりだして作ったような作品」(ひどい言い草だ…)よりは、面と線で構成された抽象性のある作品の方が好きですね。 

 

折り紙学 起源から現代アートまで

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