「一姫二太郎」って言いますよね。
最初の子は女の子,2人目が男の子の方が育てやすいこと。
(「女の子が1人,男の子が2人」っていう意味じゃないですよ~)
(ついつい「3なすび」と続けたくなってしまう……)
ウチは最初の子どもが男。そのせいかどうかはわかりませんが,大変でした。
真冬,初めての子育て。
長男は1月生まれ。妻にとっては,退院して寒い家で過ごす産後や夜中の授乳は大変そうでした。体調も激変していたでしょうしね。
ちょうど阪神淡路大震災があった頃で,メンタル的にもよくありませんでした。
(当時のことは今でも言います)
一方,長男自身は,育休中の1年間は特に目立った病気もせず(突発性発疹ぐらい),平和でした。
保育園に入園したら。
ところが,保育園に入ってからが大変。
育休が終わるのが1月なので,保育園には12月から入ることに。
季節は当然,冬です。保育園児は鼻水まみれ。
それまで無菌状態で過ごしていた家族にとって,保育園の洗礼は厳しいものでした。
12月の1ヵ月間のうち,子どもがまともに保育園に行けたのは1週間ぐらいだったでしょうか。風邪や中耳炎で休みまくりです。それまで何年も寝込んだことがなかった私も含め,夫婦で交替で寝込んでいました。
長男はその後も,1年の半分ぐらい中耳炎になっているありさま。
男の子の方が病気しやすいという説があります。
一般論としてそうなのかどうかわかりませんが,ウチの場合に限って言えば,その通りでした。
長男と末っ子(男)は病気しまくりで,末っ子の方は特に急性中耳炎から慢性化して滲出性中耳炎になり,年長の頃まで病院に通い続けました。でも真ん中の長女は,中耳炎も1~2回程度しかやりませんでしたから。
病気という点では,長男より娘の方が楽だったのは確かです。
ただし,普通の風邪で熱を出したとき,長男は1日で下がることが多かったのに対して長女は2~3日だらだらと熱が下がり切らないことが多い印象があります。単なる体質の差,個人差ということなのでしょう。
すべてが手探りだった,長男のとき。
それ以外の点でも,あらゆることが手探り状態で,試行錯誤でした。
全般的に見て男の子の方が大変なのか,女の子の方が楽なのかは,子どもそれぞれで違うのでしょう。ウチの場合は最初がたまたま男だった,というだけのことです。
子ども自身にとっても,「未経験者にはじめて育てられる」わけですから,たまったもんじゃなかったかもしれません。
もしかしたら最初の子は,「ゼロゼロナンバーサイボーグ」(石ノ森章太郎作『サイボーグ009』で出てくる言い方)みたいなものかもしれないと思ってみたり。
つまり,「プロトタイプ」,「試作品」です。
試作品でテストしてうまくいった結果が次に生かされる,みたいな。
「大リーグボール養成ギプス」で鍛えられて。
そんな風になんとかかんとかやってきた子育て。
まるで「大リーグボール養成ギプス」をはめられてるみたいだ,とよく話していました。梶原一騎/川崎のぼる作の『巨人の星』で出てくるアレです(例え話がみんな昭和)。
そうやって鍛えられてみると,2人目以降は特に大変とも何とも思いませんでした。長男は「こだわり」が強かったことも大変でしたが,長女はそんなこともありませんでしたしね。
でも感覚がマヒしただけだったのかもしれません。あるいは,すぐ忘れてしまうものなのかもしれません。
大変だ大変だとずっと引きずっていたら何人も産んだり育てたりできませんから,そういう仕組みになっているのでしょう。
そんな日々からもう約20年。
当時の大変さの記憶は完全に薄れてしまいました。大リーグボール養成ギプスを外したら楽で楽でしょうがないだろう,毎日鼻歌まじりでスキップしちゃうかもと思っていましたが,特に感慨もなく今に至っています。